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アンデットな村人の僕
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アンデットな村人の僕 10

「もうひとつ気をつけなさい。ぼうやが性交して射精するとき、その相手は豊穣の神の祝福で、ぼうやの快感に共感して一生忘れられなくなる快感に溺れて虜になるでしょう」

「お師匠様、核石をタケルくんから取ってしまうことはできないのですか?」

「仮死状態のときに、陰嚢を切り裂いて取り出したとしたら、ぼうやはそのまま死んでしまうでしょう。それに古代の神が与えた核石は、宿り主のぼうやを守るために陰嚢の傷をすぐに癒してしまうでしょう」

「取り出せないということですか?」

「そう。でも、豊穣の神の祝福された精液は神酒といわれて、神の寿命さえのばすとも、若返らせるともいわれているの。これは、ここにいる三人の秘密にしておきましょう」



「……お師匠様、もしかして」

「興味はあるわ。でも、もし本当に不老不死の霊薬なら、不老不死になった人がいると思うの。どういう意味で寿命がのびるとか若返ると言い伝えられたか、ちょっとわからない。あやしい感じもする。おいしいものを食べたら長生きできそうとか言う人いそうじゃない?」

一ヶ月ほど、アデルのお師匠様ルイーズさんは、僕に魔法を教えてくれた。

魔法を使うための魔力は、生命力を魔法の触媒や呪文や儀式によって融合させて作り出されるけれど、僕の場合は魔力を体内にすでに持っているために、呪文や触媒を必要としない。

「魔法で起こしたいことを思い浮かべて、それに合わせた加減で核石から力を引き出すだけ。といってもぼうやは魔法について知らないから、知らないことは想像もできない。だから、まずどんな魔法があるか知識を教えるわ」

「はい」

「普通、魔法の元になる生命力を感じとるところから始めるんだけど、ぼうやの場合は魔力を感じとると逆に核石に生命力を奪われてしまう。血液を制御して循環させている心臓を想像して。そして魔力が心臓で体に分けられていくのを思い浮かべるの」

ルイーズさんは自分で手首に指をあて、脈拍を取ること、脈拍を感じることから教えてくれた。


「お師匠様、何をなさってるんですか!」

僕は一週間ほどして、僕は魔法のゲートでルイーズさんの隠れ家から、村の教会に戻ってきた。
ルイーズさんも一緒だ。
アデルは一人で僕をルイーズさんにあずけて村の教会に戻ってきていた。

「よくできました。すごいわよ、ぼうや」

お師匠様はタケルくんをべたほめしているけど、失敗して二人で時空のはざまに閉じ込められたらどうするつもりだったんだろう。

「ちゃんとアデルのキスを思い出して、ゲートを扉を開くのを思い浮かべてと言ったら、満月でなくてもちゃんと私まで運べた。ぼうやのおかげで満月でなくても瞬間移動できるゲートの魔法陣が判明したわよ」

「え……キス?」

「ぼうやが一番強くアデルを感じたときの記憶を水晶玉でみてびっくりしたわ。そういうことには奥手だと思ってたけど、やるときはやるわね」

「な、何をいってるんですか、お師匠様」

タケルくんは困った顔をしていた。
お師匠様の水晶玉はその人の記憶を映像にして、お師匠様にみせる。
どんなにごまかしても、よほどかんちがいしてなければ、事実に近いものが再生される。
自分では忘れていても、見たものや聞いたものは記憶されていて残っている。

「若いっていいわね」

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