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アンデットな村人の僕
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アンデットな村人の僕 9

「普通の魔力ならそれで制御できる。けど、ぼうやの魔力は外からの魔力を吸収も続けているし、私たちが魔法を発動させるために導く手順なしでも勢いが強くてどんな魔法が発動する。だから、火、水、風、土、金属じゃないものをいつもずっと思い浮かべる必要がある」

僕は意味がわからないので、黙って聞いていた。

「ぼうや、普段、お腹すいた、眠い、とか自分の気持ちとは別に感じるでしょう」

「はい」

「もしも、ぼうやが強く願うことや、すごく激しい感情、悲しみや怒りとかに魔力が導かれたら、それが他人に危害を加える魔法として発動する可能性がある」

アデルがうなずいている。ここまではアデルも予想したってことね。

感情を制御するには、手っ取り早い自我のないものになりきってしまうこと。
でもそれは心のない状態、核石そのもので人でなくなるってこと。

「でも、空腹や眠さというのは、食べたい、眠りたいってみんな感じるから、影響を受けても、みんなそれなりに対処できる。ぼうやがいつも眠い、いつもお腹がすいたと思えるならね。でも、満腹したら空腹は感じない、眠ったら眠気はおさまる」

アデルが、そこまで聞いて、はっ、と気がついた表情になった。
魔法は物理的な効果とは限らない。

「アデルがどうしてぼうやを蘇生してしまったのかを考えてみると、すでにもう影響が起きはじめているって可能性もありね。私はあなたたちが転送されてきたときに、とりあえず防御魔法で影響を受けないようにはしているんだけど」

イレーヌさんがにっこりと笑って言った。

「人の心に影響する魔法は、もしかすると爆発よりもやっかいかもしれない」


僕がツチノコに咬まれて死ぬ前にどんな状態だったか、お腹がすいていたか、眠かったか、イレーヌさんに質問された。

「お腹もすいてなかったし、傷が痛くて眠くなかったです」

「なるほど。そして誰かを恨んだり、憎んだりもしてなかった。で、そのまま生命力を奪われて仮死状態になって気絶してたわけね」

次はアデルが質問された。

「ぼうやが核石に生命力を奪われている仮死状態から蘇生するときに勃起したのね」
「……しました」

お師匠様はくすくすと笑うと、タケルくんに爆発しないと説明した。

「でも、これから大変よ。誰かとキスをして生命力をわけてもらわないと、死体と見分けがつかないような状態で気絶してしまう。そして、核石はずっと魔法を発動し続ける。発動している間は、勃起しているんじゃないかしら」


核石の魔力が尽きるまで発動している豊穣の女神の魔法でどれほどの範囲かはまだわからないけれど、周囲の人をムラムラと発情させていること。

核石に蓄積されている魔力は、千年生きるといわれているドラコンの100倍。一生魔法が発動し続ける可能性があること。

それをぼうやとアデルに説明した。

「僕はどうしたらいいんですか?」

「気をつけなさい。たとえば、ぼうやがお金がなくてお腹ぺこぺこで歩けなくなってるとき、声をかけてきた人におなかすいたと言ったら、きっと下心がある人が街なら食事を提供してくるから」

タケルくんがもし食事を提供されて、食事代のかわりに気持ちいいことをしてとお願いされたら、断るだろうか、それとも……。

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