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アンデットな村人の僕
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アンデットな村人の僕 4

アデルに言われてキスの意味がわからなかった。
わからないうちにアデルが顔を近づけてきて、唇が重なった。
思わず目を閉じていると、アデルの舌が口の中に入ってきて僕の舌と絡みあった。

「んくっ、うぅ、んっ……はぁ、はぁ、はぁ」

「これがキスですよ」

まだ目を閉じていて少し息が乱れているタケルくんに私は言った。
唇を重ねながら自分の魔力を口移しでタケルくんに移していることも説明した。

タケルくんは半分、魂を奪われて生き返ってきたので生命力を補うためにこうしてふれあわなければ、また遺体に戻ってしまうことも説明した。

「さあ、もう一度」
「うん」

アデルの舌と僕の舌が絡み合うと、気持ちよくてたまらなかった。

アデルはキスしながら、抱きついて肌を密着させてきた。
唇や肌から、アデルのぬくもりが伝わってくる。

僕は気がつくと少し汗ばんでいた。
アデルが僕の左胸に耳をあて鼓動を確認した。

「鼓動が正常に戻りましたね。あとは……」

アデルはそのあと急に黙ってしまった。

「どうしたの?」

私はタケルくんに魔法のもとになるのは生命力で、生命力は体内をめぐっていることや、それがタケルくんの場合は他の人とちがって股間に集中して停滞していることを話した。

「だから、他の体の部分は仮死状態になっても股間だけがそんなふうになっているんです」

タケルくんの性器にたまったエネルギーを体内に循環させるために、キスをして私の魔力を流しこんでみたけれど、まだじわじわと蓄積し続けているようで、私の魔力が流しこんだ分よりも吸い取られている気がしました。

「射精したらそこにたまった力が精液と一緒に放出されて消える可能性もあります。放っておくと、何かの魔法の効果が発動できるほどの力がたまっているので暴発したりするかもしれません」

「暴発?!」

「炎が吹き出したり、爆発したりするかも。でも、そこにどこまでたまるのかはわかりません。もしも限界までたまったらどうなるのかも……」

な、なんかこわいことをアデルが言い始めたぞ。

「アデル、このままだと僕は死んじゃうの?」

「股間が暴発する前に生命力を吸収され続けて心臓も呼吸も止まって、それでもわずかに残った魂まで吸収してしまいます」

僕の素朴な疑問がひとつ。
仮死状態になっていた僕は、どうして生き返ったんだろう?

「そ、それはですね。そのタケルくんが死んでしまったと思って、お別れのキスをしたときに私の気持ちが強すぎて魔力が流れこんだのかも……コホンコホン」

「アデルがキスして生命力を分けてくれたら僕はすぐには死なないけど、これをなんとかしないと、爆発したりしちゃうってことかぁ」

「でも、射精したら何が起きるかまだわかりませんから……」

仮死状態のときに、私がタケルくんにキスしたことは気にしてないみたい。
まあ、そうですよね。
生きるか死ぬかの大問題だし。

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