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アンデットな村人の僕
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アンデットな村人の僕 19


「あの、ロミルダさん、僕たちをなぜ呼んだんでしょうか?」
タケルくんは騎士団総長さんの話が途切れたところで、質問した。

(よくやった、少年!)
(タケル、あたしたちが聞きにくいところを、えらいぞ!)
(わざわざ賢者様のお弟子さんたちを呼んでやるお仕事なんて、嫌な予感しかしないわ。報酬はどうなるのかしら?)

口元をほころばせているリドリーとイルダ。
あからさまに警戒しているミハル。
騎士団総長ロミルダがちらっとその三人を見て咳払いをした。

ソレイユちゃんが退屈だったので、あくびを手で隠してすると、タケル様、あの……と小声で何かを囁いた。タケルくんはうなずいた。
「リドリーさん、ミハルさん、サンドイッチ、ごちそうさまでした」
という声と同時に姿を消した。魔導書の中に戻ったんだと思う。

「うおっ、き、消えた!」
リドリーがとても驚いていた。
「精霊だから、帰っただけよ。とりあえず今は静かにしなさいよ」
ミハルがリドリーに小声で言った。
リドリーは意味がわからないがとりあえず、今回の特殊任務の内容を聞くために黙った。



三日後、騎士団総長ロミルダの作ったワイパーン型のゴーレムに乗って私たちは目的地に向かって飛んでいた。
騎士団総長ロミルダは騎士団の都に残ることになったということで、ワイパーン型ゴーレムの背中の上で、リドリーさんとイルダさんがぼやいていた。

「結局、俺たちだけかよ」
「いつものことだけどね」

ミハルさんがワイパーン型ゴーレムの背中を撫でながら、何度も首をかしげていた。
「タケルさん、これ、ゴーレムですよね?」
「ミハルさん、タケルでいいですよ。そうです、ゴーレムですよ」
「石像じゃなくて、あの手触りとか、皮の感じなんですけど」
「このほうが乗り心地がいいかなって。あれ、やっぱり石の方がよかったですか?」
「そういうことじゃなくってね。うーん」

私はタケルくんが瞬間移動の魔法ゲートをお師匠様と改造した話をして、また驚かれた。


「アデルさん、どういうことかまったくわからないわよ」
「タケルくんに魔法学の常識は通用しません」
睾丸に魔法の核(コア)があることは隠してお師匠様が魔法を住み込みで教え込んだことを、もちろん期間はまた驚かれそうなので隠して話をした。

「賢者様ってすごいわね」
「ええ、すごい人ですよ」

都から出てゴーレム馬なら半日の距離の草原でタケルくんはワイパーン型ゴーレムを作った。
予定ではロミルダさんが作ったゴーレム馬に騎乗して目的地に行くはずだったのだけれど、タケルくんも私も乗馬をしたことがなかった。
そこでタケルくんが魔導書の精霊ソレイユちゃんにワイパーンの話を聞いて作ってみたそうで。

騎士団総長ロミルダさんも驚いていた。
僕からすれば馬に乗れるほうがすごいと思う。
「ソレイユ、疲れたら降りて休憩しようね」
クエエエエッ!と返事をする。

「ええっ?」
納得しかけたミハルさんがまた困惑した。
「ソレイユちゃんが変身したらしいです」
「変身……精霊が……」
「エルフ族は魔法で姿を変える術があるらしくて」
「そ、そうなの?」


「エルフのお嬢ちゃんが変身してるのかぁ、少年、持ってきた食料で足りるのか?」
「食事の時はいつもの女の子に戻るそうです」
ミハルからすると、リドリーの心配はどうもいつもずれてる。

「タケル、ソレイユちゃんに敵のあじとを上から踏んづけてもらってさ、早く帰ろう!」
とイルダはタケルに言うと、持ってきた果実酒でほろ酔いで上機嫌だ。

(この二人の順応性の高さには驚かされるわ)
ミハルがあきれてため息をついた。

任務は潜伏している古代魔法研究者の討伐なのだが、一度は盗賊として賞金をかけた。
だが賞金稼ぎのハンターたちが撃退され、騎士団が討伐することになったという話。
なぜ、盗賊として賞金をかけたのか。
それは、この古代魔法研究者は元騎士団員という不名誉な事情があることをロミルダはミハルたちに明かした。
さすがに兵士を率いて討伐に行った騎士団が敗れることになると威信に関わるので、騎士団総長ロミルダにより対魔導師チームが編成された。

(踏みつけてぺちゃんこで終わるかしら?)

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