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アンデットな村人の僕
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アンデットな村人の僕 12


精霊の女の子ソレイユは、アデルと同じ服装になっていた。

「マスター、これでよろしいですか?」
「うん」

ちょっと気になること。
お師匠様、さっきタケルくんが命令すれば何でもしてくれるって……。

「あと、マスターって変だからタケルでいいよ」
「はい、タケル様」

タケルくんは軽く頭をかいている。
タケル様と呼ばれて落ちつかないみたい。




「ルイーズさん、この子をどうしたら」
「ん、ぼうやの初めての武器にして防具。お部屋のお掃除、お料理、他にもあんなことやこんなことまでしてくれるわよ」
「あんなこと、こんなことって……」

私はアデルに何か小声で耳打ちした。
「ぼうやがいくら精霊とやっても妊娠しないから、安心しなさい」
「なっ……お、お師匠様?!」

うろたえるアデルと、まだよく理解していないぼうやに私は説明することにした。

「さてと、ソレイユって言ったわね、あなた」
「……」
「ぼうや、その生意気な子に私の質問に答えるように命令しなさい」

「ソレイユ、ルイーズさんの質問に答えて」
「わかりました、タケル様」

笑顔が消えて、しぶしぶ命令に従っているのが明らかにわかる表情を作っている。あなたは私のマスターではない、って感じね。

「古代のエルフ族のあなたは魔導書の中に自分の命を封印した。そうよね?」
「そうだ」
「それはなぜ?」
「どうやって魔導書に宿ったのかということならば答えよう、なぜかということはわからぬか」
「自分で封印されるのを選んだんじゃないの?」
「神に選ばれし世を統ぶ王なき時代、我ら巫女はのちに王があらわれるという預言に従ったまで。神に仕えることに理由はない」

人間ごときがエルフ族に質問するとは、身の程を知れ。そんな感じの静かな怒りを口調に感じる。

「あなたが軽蔑している人間がその頃、どんな生活をしていたかははっきりとはわからないけど、今はあなたたちは滅亡して今は人間の時代。あなたの仕えるぼうやは人間よ」

「……わかっている」



「世を統ぶ王ね。世界にどれだけ書物があるかわからないけど、ぼうやが手に取る日まで待っていたということかしら?」
「そうだ」
「古代エルフ族の巫女の力とやらを、私に見せてごらんなさい。ぼうやをこの時代の王として導くつもりなら。でもね、ぼうやは今の時代の王になるつもりはないと思うけどね」

エルフ族は最強の王の側近か愛妾として民衆の上に君臨する計画を実行した。だが、長い時が過ぎて、エルフ族は滅亡してしまった。


「他にもあなたのように精霊として封印された物が他にもあって、ぼうやに軍勢を目覚めさせるつもりかもしれない。けれど、人間を支配して君臨するつもりならぼうやにあなたもソレイユという娘も消滅させるわ」
「われらの時代は過ぎ去った。人間よ。我が娘ソレイユに望むままに生きよと伝えてくれまいか?」
「御意」

ルイーズさんがソレイユの前で片膝をつき頭を下げると、ソレイユが崩れるように倒れかけた。

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