花嫁サークル!! 9
情けない声を出す悠に、ルナは
「中にっ! 中にくださいっ……あぁっ」
と懇願した。
彼は、いいのか、と一瞬思った。
だが、僅かに残った理性でよくよく考えてみる。
仮に中に出してルナが孕んでしまうと、その責任を取らなければならない。
つまり、結婚という結末が高いのだ。
となると、花嫁選考サークルはその規定により解散に向かってしまう。
折角のオイシイ状況を、自ら棒に振ってしまうことになりかねない。
「飲んでっ」
彼は肉棒を抜くと、ルナの口元へあてがった。
「はぁん……」
自分の愛液にまみれたソレを、ルナは躊躇うことなくくわえこんだ。
軽く首を動かすと、爆発するような勢いで白濁液が噴出する。
口内に広がる青臭さを、彼女はゴクゴクと飲み下した。
残滓を啜りながら掃除もきっちり施し、肉棒は漸く離される。
「ご馳走様でした……」
吐息混じりに言いながら、彼女はニコリと笑った。
悠は一瞬ドキリとしたが、性器を出したままであることに気付き、そそくさとそれを仕舞い込む。
「イきそうになったらメールしてもいいですか?」
ルナは振動したままのローターを再び膣内に収めながら問う。
「あ……あぁ」
彼は呆気にとられた様子でそう答えていた。
────────
放課後。
悠が教室を出ると、誰かに袖を引っ張られた。
そちらへ顔を向けてみると、そこには不安そうな顔をした美鈴がいた。
夕暮れに染まる川原は、人の姿が見受けられるにも関わらず、どこか寂しい様相を醸し出していた。
涼しいせせらぎを響かせる川は、絶え間ない流れを感じさせる。
「美味しかったよ」
悠は照れ臭そうに紙袋を掲げた。
「ホントですか?」
美鈴の表情が明るくなっていく。
悠は弁当の感想を伝えることをすっかり忘れていたことを、申し訳なく思った。
昼休みから今までずっと気がかりだったのかと思うと、胸がいたくなる。
美鈴の笑顔が純粋なだけに、それだけ心が傷むのだった。
「もっと自信持ちなよ」
悠はぎこちなく笑って見せた。
自責の念を隠すように。
「はいっ!」
天真爛漫な笑顔が、惜し気もなく悠に向けられた。
彼女が垣間見せる純粋さは、汚れた社会を洗い流してくれるような気さえ沸き起こる。
悠は、今度は自然な微笑みを溢していた。
「……ちょっとごめん」
ポケットで震えだした携帯に彼は断りを入れると、それを取り出した。
ルナからのメール受信だ。
<<今電車に乗ってるんですが、我慢できません。
大勢の人に紛れてはしたいと思われてしまうかもしれませんが、イク許可を下さい>>
自ら羞恥を煽るような説明を付けたメールだった。
それを見て、悠は現実に引き戻された。