花嫁サークル!! 43
しとしとと降る雨音が扉の向こうから聞こえてくる。
なるべく音を立てないように、悠の腰はルナの尻肉を打ち付けていた。
「んっ!くふっ!」
喘ぎ声を圧し殺すルナ。
朝から玩具に遊ばれたそこは柔らかく、締まりもいい。
「……くっ」
「んん!んんんぅ……っ!」
悠の射精とともに、ルナは上り詰めた。
伸ばした脚が小刻みに震え、踵まで浮かせている。
「はぅ……あぅん……」
抜かれた剛直にかわり、ブラリと宙吊りになっていた玉がその中へ入っていった。
ゴムを取ったイチモツを丁寧に舐め清めた後、彼女は名残惜しそうに口を離す。
「あの……こういうことしないと教えてもらえないのって、何とかしてもらえないの?」
ルナから誰かの話を聞くときは、大抵交換条件を求められる。
その分時間が割かれてしまい、場合によっては全てを聞けないこともあるのだ。
「んふふっ」
妖艶な笑みを浮かべ、悠の質問はうやむやにされてしまった。
「あの二人はですね……」
匂い消し代わりの飴を口に入れ、ルナは悠の方へ向き直った。
「まず志穂は、ご存じのように学年のトップを争う程の秀才です」
「うん……で、美穂は?」
「美穂は、言うなれば逆のタイプです。自由奔放で、勉強よりやりたいことを率先してやる人ですね」
ルナの言うことは、悠がとっくに心得ていることだった。
無論、彼が訊きたいことはそのようなことではなく、もっと核心に近い事である。
「どうして俺に惹かれるのかな?」
その言葉を聞いたルナの顔色が少し変わった。
躊躇いと動揺、そして不安の入り雑じった複雑な表情へと。
「初めて聞きましたね、それ」
ルナの様子を察し、少し緊張を覚える悠。
「私たち、サークルに所属している人は皆悠様が好きです」
うん、と頷きながら、彼は唾を呑み込んだ。
「でも、何故好きなのかをお教えすることはできません」
「え?」
とても不思議な話だ。
「サークル活動を行うことは意思表示であって、告白ではないのです」
「……は?」
普通、好きだと伝えることが告白である。
しかし花嫁選考サークルは、所属している時点でその意思は嫌でも伝わってしまう。
紗耶のような特殊な例も存在するが、大半はそういうことになるのだ。
「悠様には、何故好かれているかをご自身で考えていただかなければなりません。それに気付かれた上で、花嫁に選んでいただきたいのです」
つまり、何故好かれているか解らなかった人を花嫁に選ぶと、無条件に無効になってしまうのだ。
「えー……無理じゃない?」
いつ恋に落ちたかなんて、自分でもわからないことはザラにある。
それが相手となると、とても難しい。
むしろ、不可能ではなかろうか。