花嫁サークル!! 4
画面には写真付きで学年や簡単なプロフィールが載っていた。
1年から3年まで幅広く参加しているようだ。
ルナと愛は悠と同じ学年で、二人とも2‐Dの生徒である。
これは彼も知っていた。
だから名前を思い出せたのだ。
彼女たちの説明では、花嫁選考サークルはファンクラブから派生したと言っていた。
「ファンクラブって何人くらいいんのかな……」
彼は至福の溜め息を吐きながら、ベッドにもたれかかった。
(これからどうなるんだ……)
先の見えない現状にそう思っていると、携帯が震えだした。
彼は徐に手繰り寄せ確認するも、アドレスのみが表示され名前が出ていない。
「……ん??」
彼はどこかで見た文字配列だと思っていたが、それはテーブルの上にある紙片で見たのだとにわかに気付く。
「ルナか……って、あっちは俺のアドレス知ってんのかよ?!」
彼は一人突っ込んだ後、携帯を確認した。
メールには添付ありの表示がされている。
取り敢えず彼はメール画面を開いた。
《悠様の穴です。遠慮なさらず、毎日のように使ってください。
また明日お会いできるのを楽しみにしています。
おやすみなさい》
という文面が可愛らしい絵文字で装飾されている。
恋人からのおやすみメールみたいなものだろうか。
しかしそれよりも彼の目を引いたのは、文の下に表示された添付画像である。
裸のルナが脚をM字に開き、しかも片手でワレメを開いた画像がそこに表示されていた。
「ま、マジかよ……」
悠は画面を凝視しながら、無意識にズボンを下ろし、自慰を始めていた。
ジリリリ……
目覚ましの五月蝿いアラームを、悠は乱暴に止めた。
覚醒しきっていない頭でボーッとしながら、ゆっくりと下半身を仕舞い込む。
つけっぱなしの蛍光灯が必要のないくらい、窓から光が射していた。
朝が来たのである。
いそいそと立ち上がった彼は、蛍光灯から垂れ下がる紐を引いてそれを消した。
ピンポーン
彼がだるそうに尻を下ろしたのと同じくらいに、インターホンがなった。
「はぁ〜?」
朝早いのに加え座り込んだ後というタイミングの悪さに、悠は不機嫌な様子を見せる。
彼はゆっくり立ち上がり、玄関へ向かった。
「お、おはようございます……」
ドアを開けると、見知らぬ女の子が立っていて、彼にそう声をかけた。
悠は目を擦りながら彼女を捉え、
「なんか用?」
と尋ねる。
それから、彼女の着ている制服が自分の高校のものであることに気が付いた。
「あの、ごめんなさいっ。朝からインターホンを押すのは躊躇ったんですが、その……目覚まし時計が鳴って、それが止まったんで、悠様が起きたのかなって……」