花嫁サークル!! 30
里奈は彼の要求に応え、尻のすぼまりに舌先を突き立てた。
彼女は夕貴の教育のみならず、彼の教育をも間接的に行っていた。
悠がやりたいプレイをするためには、彼自身が現状に慣れる必要があるからだ。
里奈はそれを知っていたのだった。
「どうだ? 夕貴」
「あんんっ、気持ちいいです……」
四つん這いで貫かれた夕貴は、自ら腰を振り快感を貪る。
里奈はそんな彼女の背に乗り、悠の上半身を献身的に舐め回している。
ミニマムな彼女だからこそ為せる技だ。
里奈はスタイルがいいわけでもなく、特別可愛いわけでもない。
そんな自分を悲観した時期もある。
しかし、性技のスキルを上げることによって、彼女は彼女なりに存在意義を見出だそうとした。
その結果が、今の里奈なのだ。
夕貴の中に彼の白濁が迸った。
それと同時に、彼女を快感の波が襲い、全身が震え上がる。
「よく頑張ったのですぅ」
里奈は夕貴の中から滑り出したモノを避妊具から解放し、舌先で舐め上げた。
そして
「ご褒美なのですよ」
と夕貴の前へ回り込んだ。
ニッコリと笑う里奈。
それが合図かのように、夕貴は舌を差し出した。
里奈はその直ぐ上にゴムを据えると、悠から噴き出した精液を搾り出す。
夕貴の舌上にドロリと広がったそれは、軈て彼女の喉を通って行った。
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月曜日。
新しい週の始まりだ。
日曜の夜、里奈と夕貴は散々悠から搾り上げたにもかかわらず、とても惜しそうにそれぞれの自宅へと向かった。
いや、このように記述すると彼女たちがただの淫乱な少女になってしまう。
彼女たちが惜しんだのは、決して肉体的な理由だけではないはずだ。
少なくとも、既に「好き」と言っている夕貴は。
小気味いいリズムが何処からか聞こえてくる。
それは悠を目覚めさせるのに十分なものだった。
眠気眼には見覚えのある後ろ姿が映る。
美鈴だ。
彼女が台所に立ち、右手の動きに合わせてあのリズムが流れている。
それは、包丁とまな板が織り成しているものであると容易に理解できた。
しかし、不可解なことがある。
彼は部屋をぐるりと見回した。
そう、美鈴一人しかいないのだ。
ガチャッ
悠が美鈴に声をかけようとしたまさにその時、玄関のドアが開いた。
「お疲れ様です」
美鈴の声に、玄関から入ってきた少女は笑顔を向けた。
「お、お前……」
彼女の顔を見て、思わず悠が声を洩らす。
驚くのも無理はない。
彼女は同じクラスの風上紗耶だったからだ。
悠に消しゴムを渡した、例の女生徒である。
「ゴミ」
「……へ?」
「ゴミ、出しといたから」
「あ、あぁ……すまん」
彼女はそれだけ言うと、机の上を片付け始めた。