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花嫁サークル!!
官能リレー小説 - ハーレム

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花嫁サークル!! 246

約、一ヶ月後。
メイド喫茶は大成功をおさめ、怪我人もでることなく、器物も破壊せずに済んだ。
色々な事を収拾し、学園祭から一週間経った。
その日、最後のミーティングが行われる。

「ってわけで、だいたい50万くらいの利益が出ましたぁ」

イェーイと拍手を促す愛を筆頭に、盛り上がりを見せる面々。
メニューは一律1000円。
回転数を増やすため、喫茶店にもかかわらず30分毎にチャージ200円というぼったくりぶり。
メンバーによってはオリジナルプランを用意して臨んでいた。
特にルナが食事を食べさせる「あーん……だめ?」プランは人気を博し、荒稼ぎ状態だった。

「とりあえず、純華には10万円返しておくね」

「あ、いえ。それでは少し戴きすぎです」

「いいのいいのっ。計算がメンドーだから」

「会計がそれ言う?」

美穂が突っ込み、周りもまた笑みをこぼした。

「ところで……残りはどうしよう?」

夕貴の発言に、皆視線を落とす。

「山分けにしましょう。端数は、ゆっくんへ……今までのお礼を兼ねて……」

「そうね。あいつには、色々お世話になったし……」

そう言って、まどかはかつての自分を思い返している。

「もう、終わっちゃうんだね……」

二学期一杯で任期を終える花音。
終わってしまうのは、生徒会長という任務だけではない。

「すごく楽しかったのですぅ! 沢山のお姉ちゃんができたみたいで……」

「私も……皆、好きです……」

里奈と美鈴は改めてメンバーを見回し、小さくスンッと鼻を鳴らした。

「私だって、皆……好きになってあげたんだからねっ。こんな紗耶でさえ」

「別に頼んでないけど」

千秋にそう返す紗耶。

「私は初めから嫌いじゃないから」

という言葉を付け加えて。

「皆が皆好きなのね」

小春がにっこりと笑う。

「でも、花嫁選考サークルはお終い。規約に則り、悠様が恋人を選ばれた時点で」

ルナは堅い表情で釘を刺す。
規約はほぼメンバー自身で決めたものだ。
ただ、解散を迎える時期にはこんなに寂しい思いになる事など、当時は誰も考えつかなかった。
周りは全員、蹴落とすべき存在でしかなかったのだ。
興味本意の紗耶や愛妨害を目的としたまどかでさえ、今となってはどこか胸に込み上げるものを感じている。
悠を好きになったことで、その想いはメンバー間との繋がりを生んだ。
彼に好かれたいという独占欲は、同時にメンバー間を繋ぐ連帯感をもたらしたのだ。

「『花嫁選考サークル』は、ね」

「……どういう意味?」

意味深なルナの声色に、志穂はその詳細を求めた。

「ゆっくんは優しい人。皆知ってるでしょ? だからきっと――」

「あ、それは有り得る……っていうか有力っ」

「だからね? ――……」

「ルナって……実は狡いよね」

「そう?」

と言いつつ、彼女は小悪魔のように微笑む。

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