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花嫁サークル!!
官能リレー小説 - ハーレム

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花嫁サークル!! 247

「私は提案するわ。皆の意志は、その時に聞かせて? そろそろゆっくんが来る頃だから」

ルナが目線を遣った先の時計は、午後3時の少し手前。
涼子が悠をここへ運んでくる頃だ。
夏休みに誕生日会が開かれたここで、学園祭の打ち上げを行う手筈になっている。
ルナがスッと腰を上げると、それに従って皆も立ち上がる。
彼女たちは忽ちのうちにメイド姿となり、暫くして開いた入り口に向かって頭を下げていた。

「「お帰りなさいませっ。ご主人様」」

「あー……ただいま?」

打ち上げと聞いていた悠。
何故メンバーたちがメイド服を纏っているのかわからない。
夏休みにはあったリクライニングソファがなく、そこには大きな机が出されていた。
上には菓子やらジュースやら料理やらが乗っており、確かに打ち上げの雰囲気ではある。

「打ち上げ……だよな?」

「はい。私達の打ち上げなんですから、悠様にはたっぷりご褒美をいただきますよ?」

ルナの言葉に悠の顔が引きつる。

「……嫌な事は先に済ませる方か?」

彼はその場に立ったまま、メンバーを見回した。
今日は打ち上げ。
それと同時に、彼がパートナーを決める日だ。
彼の中では意志が固まっている。
それ故に、メンバー達を全員抱くというのは後ろめたさが隠せない。
マニアックなフェチポイント且つサディスティックな性癖、そして類い希なる優しさ。
それが久遠悠という人間だ。

「悠様のお好きなように……」

ルナの返答に、周りのメンバーも首を縦に振った。
悠は強い緊張感に苛まれるも、思い口を開く。

「結論から言うと……選べない」

それは、先程ルナが口にしていた予想と全く同じだった。

「皆それぞれに魅力的で、可愛くて、クセがあって……それがまた可愛くて……」

これもまた、ルナの予想通りである。

「カラダの方はどうですか? 相性とか……」

「いや……やっぱりそっちも皆に魅力を感じるよ……」

「では、皆好きで選べないと?」

「魅力」という言葉を「好き」に置き換えるルナ。

「うん、そう。皆好きだから、一人だけなんて選べない。だから、皆のことは諦めるよ」

「それが結論。これをもって、花嫁選考サークルは解散します」

ルナのシナリオ通りに事が運んでいる。

「ごめん……」

ここの段階にきて、悠は初めて違和感を持った。
誰も彼を非難しないのだ。
愛や美穂などは声を荒げても不思議ではないのに、気味が悪いくらいに静まり返っている。

「引き続き、『花嫁サークル』の発足を提案します」

「…………はい?」

彼の困惑を余所に、踵を返したルナはサークル全員に呼び掛ける。

「参加を希望する方は挙手してください」

そしてすぐ、悠の方へ向き直った。

「全員参加みたいですよ?」

「あの……前とどう違うのデスカ?」

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