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花嫁サークル!!
官能リレー小説 - ハーレム

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花嫁サークル!! 224

「どうして、悠をフった私のために……応援に来てくれたの……?」

責めるような口調の呟き。
あの日、あの場所に悠が来なければ、こんなことを訊かれずに済んだかもしれない。
皆は明確な切っ掛けがあるのに、自分にはそれがわからなかった。
気付けば想いが舞い落ちてきて、雪が積もるように厚みを持っていたのだから。

「ねぇ、どうして……?」

「………………」

悠は答えられなかった。
自分でもわからなかったのだ。
そんな彼の押し付けがましい理不尽な行動は、彼女にとっては……。

「ん……」

優しすぎる。
その言葉を呑み込むように、彼女は彼の唇を求めていた。

――――――――

「――……だから」

「そ――もば――受け―の?」

半覚醒の彼の耳に、囁く程度の声が届いている。

「副長が特例を求めたら、示しが付かないから……」

「そうね……おはようございます」

悠の目覚めに反応したルナは、改まって彼に体を向ける。

「おはよ」

遅ればせながら、どこか沈んだトーンで夕貴も続く。

「おはよう」

欠伸を噛み殺し、悠は手足をぐーっと伸ばした。
土曜日であるこの日は授業がなく、決まった担当者は割り当てられていない。

「早速ですが、登校の準備をしていただけますか?」

「え?」

もっともな彼の疑問に、

「ほら、学園祭の準備があるから」

と夕貴が答える。
内装の配置確認や器具のチェック、来客のエスコートなど、確認事項は意外と多いのだ。
もちろん、予定しているメニューが提供出来るかなど、根本的な不安もある。
そんな中で彼に求められた役割は、男性視点からのアドバイス。
来客層は男が中心になると思われるため、男視点からの意見が欲しいというのは至極当然の事だ。
ルナはそれを告げるために参上し、悠と一緒に寝ていた夕貴と鉢合わせたのだった。
朝と呼ぶには大分遅い時間になっている。
大口を開けながら納得した彼は、いそいそと準備を始めたのだった。



「後ろの黒板はどうなのです?」

そう言いながら家庭科室の後方を指差す里奈。

「見辛い」

彼女の提案は結衣の一言で片付けられた。

「写真載せたら分かり易くない?」

「いいねいいねっ」

「経費が嵩みます!」

盛り上がっている美穂と花音に愛が嘆いた。

「イラストなら描けますっ」

「カラーだと一緒なのよね……」

その呟きに落ち込む美鈴に気付き、志穂は慌ててフォローを始めた。

「私、お力になれると思うのですが」

「それじゃ意味がないのよ、純華」

そう言いながらルナは苦笑を堪える。

「あんたはどう思う?」

「どうって……」

突然千秋にふられた悠は、うーんと押し黙って頬杖を解く。

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