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花嫁サークル!!
官能リレー小説 - ハーレム

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花嫁サークル!! 200

12月とは、当然ながら11月の翌月だ。
11月は悠が理央にふられた月である。
気持ちが塞ぎ込んでいたときに、読みかけの『森』を見つけた彼は、徐にそれを手にしたのだった。
無論、返却期限は大幅に過ぎていた。
しかし読み返してまで読破したのは、おそらくその著書がラブファンタジーだったからであろう。
失恋から立ち直るきっかけを与えたのだ。

「んっんぐっ……はん……」

もちろん、悠が自主的に分厚い本など借りるわけもなく、それに手を伸ばした何かがあったのは間違い。
理央が薦めたのは図書室という場所のみなのだから。

「んっ……んっんっんっ……」

「佐山結衣……結衣……結衣……」

「んくぅぅっ! ん゛ん゛っ! んんぅっ……」

彼は何度か結衣の名前を口にした。
音からではわかりづらいが、しかしその文字配列は初見ではないことに気付いたのだ。
そう、彼女の名前は昨年の段階で既に見ているのだ。
推薦図書の評文。
『森』を推薦したのは結衣であり、それを見たから彼は分厚い本に手を伸ばす結果となったのだ。
その評文を読んだとき、一度目にしているのである。

「んん! んっ……くぅんっ!」

迫り来る射精感。
彼は右手で結衣の頭を掴み、乱暴に揺すり立てた。
名前を連呼され物欲しそうに腰をフリフリ振る結衣は、悠の期待に応えるように裏筋に張り付かせた舌を微動させる。

「結衣」

彼の眼差しが下りてくる。
それを見つめ返しながら、結衣はまた背筋を震わせた。
赤茶色の不揃いな毛先が強張った肩を掠っている。
その摩擦は休む間もなく、寧ろ往復間隔が短くなっていた。

「飲めよ、結衣」

「んぐぐぐっ! んぐぅ! んんーっ!!」

喉奥に突き入れられたそこで噴射が起こる。
その液体は生暖かく、青臭く、苦く、美味しい。
脈動を口腔に感じながら、結衣はその状況に欲情し、上り詰める。
そう、口内射精され、それを飲みながらイっているのだ。
スラックスを握り締め、喉を鳴らして嚥下しながら、腰をビクビクと跳ねさせている。
やがて閉じた瞼をうっすらと開き、その奥に恍惚を潜ませつつ勢いをなくした剛直をしゃぶり尽くす。
残飯を啜り上げ、それも喉に通すと、彼女は名残惜しそうに口を離した。

「結衣が俺を好きになったのは、俺の感想を聞いたからか?」

結衣の髪を撫でる悠。
彼に従順な眼差しを差し上げていた結衣は、短く頷いた後顔を赤らめた。
本を読んだ当時の状況が状況なだけに、悠はいたく感銘を受け、勢い余って返却時に受け付けにいた生徒に

「佐山さんに『とても感動しました。ありがとうございます』と伝えてください」

という伝言と共に本を返したのだった。
彼は、その伝言を聞いたことが恋のきっかけなのだろうという推測したのである。

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