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花嫁サークル!!
官能リレー小説 - ハーレム

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花嫁サークル!! 182

「もっと……いって……」

「好きだよ、紗耶」

駄々っ子に微笑みを溢す悠。

「それも、嬉しいけど……もっとイって欲しい……」

「……え?」

「次は、悠様で……イって?」

紗耶はまだ中に残った温もりをキュッと締め付ける。

「久遠くんのおかげで好きになったの。あなたの好きな、アブノーマル……」

「さ、紗耶……?」

「アブノーマル好きの私も知りたいでしょ? 教えてあげる……悠様だけに……」

そして彼女は、悠の唇で自分の口を塞いだ。



日の落ちたそこに、二人はいた。
熱気は冷め、季節的な暑さがそこに漂っている。
二人は肌を寄せ合い、その独特の感触を重ね合っていた。

「でも、ホントに覚えているなんて……」

紗耶は小さく呟く。

「あなたは意外に物覚えがいいのね」

「意外ってなんだよ」

紗耶の髪を撫でながら彼は苦笑を溢した。

「だって、いつも通るんでしょ? あの道……」

「は……?」

何の話かわからない悠。
だがしばらくして、彼はまた苦笑した。

「わかりにくくて大変だったよ」

「でも……わかってくれた」

紗耶はそう言って、彼の腕枕から身を乗り出し接吻に及んだ。
あの道……川原の道のことである。
紗耶の友だち宣言をしたのは、夜、小腹が減ってコンビニへ行った帰りでのこと。
ちょうど疎らに立った電灯の下でのことだった。
そう……暗闇の中で、光が射したときに、である。
それに今気付いたことを、彼は胸の奥深くへ隠し、その事実は二度と日の目を見ることはなかったのだった。

――――――――

次の日。
漆黒に大きな花が咲いた。

「きれぇ……」

思わず声が洩れる。
ジャングルジムの上に座る夕貴が溢した感嘆だ。

「絶対時期おかしいよな」

「別にいいじゃない」

また一つ、花が咲く。
それは夜空に輝いた後、儚く散っていった。

「最近、頑張ってるのね」

「候補の話?」

赤い光が夕貴の頷く横顔を照らす。

「皆のこと知っていくのが……嬉しくてさ」

「ふ〜ん……」

そう言いつつも何処かを浮かない顔をしている悠を、彼女は見逃さなかった。
理央の影響か、サークルのメンバーはかなり活発的に動き出し、また、悠も積極的に候補を増やしている。
言うなれば彼女はトラブルメーカー。
結果、二学期を前にして第2段階に入っている。
そして彼の横顔。
嬉しいというのはおそらく本心なのだろう。
悠は悪戯に嘘は言わない。
では、憂いを帯びさせたものは何なのか。

「夕貴が俺を好きになったのは、いつ、何処で?」

また花が、今度は3つ夜空を彩った。

「……しんどくない?」

「夕貴?」

その一瞬の閃光は、確かに彼女の輪郭を浮き上がらせる。

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