花嫁サークル!! 166
「そうだよ……?」
悠を想う人の集まり。
彼を知るための知識、勉強、情報共有。
選んでもらうための駆け引き。
「私……悠のこと、もっと知りたい。抱き締めて安心させてもらうだけじゃなくて、私からも、沢山してあげたい……」
「理央……」
「ルナちゃんにね、見せてもらったの。ホームページ。私の知らない悠のことが……いっぱい載ってた……」
理央は申し訳なさそうに視線を下ろす。
「だから……我慢しないで? 私も皆と同じ様に、悠のこと……教えて欲しい……」
再び彼を見上げる視線は切なさを伴っていた。
「私、まだ中で受け止められないけど……ちゃんと、おクスリ飲むからっ。何されたっていい……何でもしてあげる……。だからお願いっ。私にも悠の全部を教えて……?」
しかしその瞳には、強い気持ちが表れていた。
「あなたのお嫁さんに相応しい女にしてっ」
理央は身を乗り出し、彼に顔を近付ける。
「悠に教えてもらった呪文……唱えてもいい?」
ふっと笑う悠に、理央は顔を赤らめる。
しかし視線は外さずに、しっかりと絡み合っていた。
「エッチ……しよ?」
それは互いを感じ合う儀式。
二人の意思を確かめる呪文であり、通じ合える魔法をかける。
潤ませた瞳とその言葉で、忽ち気分が高揚していく。
途端に溢れ出した想いは、唇を重ねるのに十分な衝動を生み出した。
しかし擦れ合う唇の熱は、益々体を昂らせていく。
絡まり合う吐息は荒くなり、息苦しい。
それでも止まる気配はなく、寧ろ誘い出されるように舌が触れ合った。
「んく……ん……」
上に導かれた理央は、何の疑いもなく彼に跨がった。
「ねぇ……何したらいい? 何をさせてくれるの? 何でも……叶えてあげるよ……」
紅潮した頬で悠の望みを知りたがる理央。
悠は彼女の明るい髪を撫で、
「脱いで」
と告げる。
更に顔を赤くさせた理央は、恥ずかしそうにボタンを一つ外した。
いつも彼が脱がせてくれたのに、今日は自分で脱ぐことを迫られた。
それは自身が欲しているのを見せつける行為のようで、理央は背筋を震わせる。
ボタンを外していくその様子を、彼はじっと見詰めていた。
「あ……あんまり、見ないで……」
「理央が裸になっていくとこ、見たいんだけどなぁ……」
理央は視線を外した悠に焦りを覚える。
何でも叶えてあげると言ったところなのに。
「う、嘘っ。見てっ……」
言ってしまった後、とてつもない恥ずかしさが込み上げた。
しかも、悠の瞳がまた彼女を捕らえている。
絡み付くような視線に羞恥が溢れ、身体が熱くなっていた。
それはもう、顔からのみではなく身体中から火が出ていると表現できるくらいに。
「……んっ……っ」
身震いに声が洩れた。
理央は続きのボタンを外し、焦れったいくらいにゆっくりと上着を払う。