花嫁サークル!! 150
次から次に噴き上がる精液を一心に飲み下していく。
そのまま彼女は、また潮を噴いていた。
クリアブックのページを捲る悠。
各ポケットには、里奈が丁寧に切り離したホップステップのページの一枚が入っている。
「り、里奈?」
「……なんですか? お兄ちゃん」
悠は目線を下げた。
「あの、もういいから」
「いやっ……性処理便所のお勤めさせてください、お兄ちゃん……」
と言われても、机の下に潜り込んだ彼女に陰茎をくわえられながらでは、集中して漫画を読むことなどできるはずもない。
ましてや相手は里奈である。
「お兄ちゃん専用の便器なのっ……私から性処理を取り上げたらっ、ぐす……私なんか……」
「ま、待てっ。わかったから。泣いてる暇があるならくわえてろ」
「はいっ。お兄ちゃんっ」
先程までくわえていた愚息に頬擦りをして、里奈は再び口内へ導く。
(なんだかなぁ……)
釈然としないながらも、悠は続きを読み始めるのだった。
――――――――
里奈の家に通い始めて、2日目。
その成果は全くない。
いや、内容を楽しむ点に於いては話は別だが。
普通
「やってみなければわからない」
と言うのが一般的なところを、この漫画は
「やってみないと始まりもしない」
と表現している。
世界を変えることができるか……それは、やってみなければわからない。
しかし、世界を変えなければ新しい生活は始まらない。
そういう意味で使われている。
何かを始めるには、とにかく行動を起こさないと話にならないのだ。
漫画の中での意味はさておき、花音がその台詞を知っていたのは事実。
しかし、読み進めてみても花音に繋がるようなことは何も見受けられない。
「疲れないのです?」
「あ、あぁ……ありがと」
差し出されたオレンジジュースに視線を向けた悠は、申し訳なさそうに礼を告げた。
「昨日だって、朝から晩までぶっ通しだったのです。顎が外れるかと思ったのですよっ」
いや、決して悠から強いたわけではないが。
しかし今日は自制されているので、そのような行為はされていない。
明後日には歓迎会があるため、ある程度はセーブしないといけないという、よくわからない気遣いだ。
「お兄ちゃんは、そんなに里奈の家に来たくないのですか?」
「いや、そういうわけじゃないんだけどさ……」
確かに、漫画を読み終わればここに来る必要はなくなる。
「じゃあ、どういうわけなのです?」
「いや、それは……」
口どもる悠。
「せっかく結婚記念日の旅行で親がいないんですよ? お兄ちゃんっ」
「里奈、『いないのですよ?』だ」
里奈はハッとして首をぶんぶん振った。
「あ、危なかったのですっ。しっかりするのですよ」
自分に言い聞かせる里奈。
親がいない、お兄ちゃん、まるで兄妹、禁断……彼女の頭の中では無意識にこの方程式が構成されていたのだ。