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花嫁サークル!!
官能リレー小説 - ハーレム

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花嫁サークル!! 144

その主人公のよく吐く台詞が

「やってみないと始まりもしない」

なのだ。

「ダメなのです」

里奈は幼顔に妖艶を浮かべる。

「そんな頼み方では貸せないのです」

「ぅ……」

まさかの土下座を迫られている。
里奈にとってはそれほどの代物に違いない。

「『貸せ』」

「え?」

里奈は微笑んで

「こう言わないと貸せないのです」

と告げた。

「牝を飼うなら、いつも毅然な態度でなければならないのですよ」

「はあ……」

「では、もう一度言い直してください、なのです」

悪戯を働く子どものように彼女は笑っていた。



……で、その結果悠は里奈の自宅を訪れることになったのだった。
ファイルの量が膨大なために、運ぶことができなかったのだ。
それに、逐一持ち運ぶのは面倒らしい。
まぁ、それは口実なのだが、彼はしばらく里奈の家に通うことになりそうだ。
彼女の部屋には様々な美少女フィギュアが並んでいて、ご丁寧にプラスチックショーケースに飾られている。
それのみでなく、目につく場所には何らかのキャラクターグッズがあった。
薄いピンクと赤を基調とした女の子らしい部屋に似つかわしくない品々である。
しかし、目当ての物が見当たらない。
里奈のベッドに置かれた一冊のホップステップ。
それ以外、雑誌も漫画もファイルらしきものもなかった。

「で、どの辺にあるの?」

内装に度肝を抜かれつつも、悠は目的の物の在処を尋ねる。

「一番下の引き出しなのです」

勉強机の引き出しを指して、里奈は開けるように促した。

「……っ?! ちょっ、これ……」

中を見た悠は一瞬動きを止め、息を飲む。
そこにあったのは卑猥な雑誌や漫画、おまけにバイブやローターやその他諸々。
少し考えればわかるはずだ。
そのスペースに収まるくらいなら、数回の持ち運びで済むことが。
実は、空き部屋に冊子類が保管されてる。
3人家族の彼女の家には、書庫の代わりになる物置部屋があったのだ。
悠はまんまと嵌められたのである。

「これは……」

「……私の本性なのです」

里奈は知っていて欲しかったのだ。
自分にとって、悠がどの様な存在なのかを。

「私はこのような外見なので、皆より見劣りするのです」

「そんなこと「いいのです」

里奈は強い口調で悠の言葉を遮った。

「わかっているのです……」

いつもの明るさはなく、その悲しげな彼女の顔を悠は初めて目の当たりにした。

「なので……こんな私でも好きだと言ってくれる人には、精一杯尽くしたいのです」

性技を以て。

「これ……覚えてますか?」

ベッドの上にある例の雑誌を手に取り、抱える里奈。

「私はいつも、これを抱いて寝るのですよ」

ボロボロの表紙のその冊子が彼女の思い出。
物置にある他の物よりも、もっと深い意味を持っている。

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