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花嫁サークル!!
官能リレー小説 - ハーレム

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花嫁サークル!! 133

「まぁ、試しに訊いてみたらいいよ。理央がゆっくんを好きになった訳を」

「うん……わかった」

彼女は再び、コクンと頷いた。

「で、今から何したらいい?」

「そうねぇ……」

ルナは少し思案する素振りを見せ、何かを思い付いたのか、妖しく微笑む。

「歓迎会をしましょう。その準備を、今から……」

「はいっ」

理央は再度コクンと頷く。
が、その顔からにこやかな表情は消え、数秒後には得たいの知れない恐怖に染まっていった。



空を覆う雲がスコールの気配を漂わせる。
もしそれが訪れたら、彼らの目にしている川は穏やかさを失うだろう。

「約束?」

夕貴は悠の尋ねた内容のその単語だけをピックアップした。

「そう。ほら、小さいときによく遊んだ公園があるだろ?」

「うん……」

忘れるはずがない。
夕貴は登校する際に、その公園の脇に敷かれた道を通るのだから。

「あの頃よく一緒に遊んでた子って、みっちゃんだよな?」

「……どうしたの? 急に」

クスっと笑う夕貴。
しかしその瞳は、動揺を隠すように水の流れを見つめ続けている。

「いや……ルナが俺を“ゆっくん”って呼んでるらしくてさ」

「そりゃあ“悠”なんだから有り得なくはないと思うけど……」

今、夕貴の中では2つの想いが火花を散らしていた。
今の状況を守りたい自分と、過去の約束に夢を重ねる自分だ。

「それ、どんな約束なの?」

悠は照れ臭そうにはにかむ。

「お前とみっちゃんを嫁にするって……約束……」

「覚えてたんだ……」

夕貴の頬が赤くなる。

「まぁ、な」

実際は思い出したといった方が正しい。

「ありがとう、夕貴。そろそろ帰った方がよさそうだ」

重い空模様に悠の腰が上がった。

「あ…………うん……」

結局彼女は真実を伝えることができないまま、悠につられて立ち上がる。
はっきりとしないこの感じが夕貴は苦手だ。
しかし、そのもやもやを胸中に残したまま彼女は悠と別れたのだった。



「……何やってんスか?」

自宅に戻った悠は、机に向かって座る愛に疑問を投げ掛けた。

「気持ちの、整理……?」

桃色の頬で呟く彼女は、いつになく女々しい印象を受ける。
いや、特に男勝りなわけではないが、普段のハツラツとした独特の勢いを感じられない。

「今、サークルは盆休みなんだよな?」

「サークルはそうだけど、私の気持ちは年中無休……だから……」

上手い返しかどうかは置いといて、やたらともじもじしている愛。

「何か、私に言うこと……ない?」

「へ?」

腰を据えた悠に上目遣いを向け、彼女はさらに頬を赤く染めていく。

「ほ、ほら……私もペナルティ、受けたじゃない……」

悠は漸く要領を得、不思議な緊張感に見舞われた。

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