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花嫁サークル!!
官能リレー小説 - ハーレム

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花嫁サークル!! 125

「し、仕方ないのです。『ヒンヌー』はなしにするのですよっ」

「ホント? よかったぁ〜」

美鈴は里奈を抱き締めて心からの安堵を示す。

「これからもよろしくね。里奈ちゃんっ」

「はいっ。じゃあ、早速……」

何かを企んだ妖しい笑みを浮かべる里奈。
その手にはメジャーが握られている。

「美鈴にぴったりの衣装を作って差し上げるのですぅっ」

「え? えっ?!」

じわじわとにじり寄る里奈に冷や汗を流す美鈴。

「観念しなさいっ!」

「いやぁ〜っ」

こうして美鈴のスリーサイズは里奈に知られることになったのであった。



「意外……意外すぎるっ……」

「雪が降るわっ。きっと」

ルナと千秋は呆然とその様子を見ていた。
視線の先には、猫と戯れる紗耶の姿がある。

「にゃ〜。にゃ?」

小屋の前にしゃがみこんで、小さな声で猫の鳴き真似をしている。
そう、ここは中学校。
盆休みを狙って、動物と触れ合い現状を知ってもらおうという催しが開かれている。
ボランティアに参加している小春、夏希、千秋、冬香と、参加者としてのルナと紗耶がそこにいた。

「なに? 不思議そうな顔して」

「「何でもありません」」

紗耶の鋭い眼光に、気の強いはずの二人が怯んだ。

「この子の名前は?」

「クー」

紗耶の問いに、隣でしゃがんでいた夏希が答える。

「この子は?」

「ミー」

「あの子は?」

「ルー」

ちなみに、三匹をここに来た順に並べるとミールークー……と安直を露呈した結果となる。

「猫って、集団行動しないんだよね?」

「ううん……グループ意識が低いだけ。猫だって……一人じゃ生きていけない……」

「そう……私とは違うのか」

「うん。紗耶とは違う」

言い切る夏希。

「猫は気まぐれだけど……強がったりしない」

二人は猫の小屋の前にしゃがんだまま、静かに淡々と言葉を交わす。

「わかったこと言うのね」

「昔の私と似てるから……。好きだよ、紗耶のこと」

「え?」

突然の意外な告白に、紗耶の目線は夏希に向けられた。

「動物を愛せる人に、悪い人はいない」

「普遍的で根拠のない理屈ね」

「悪い?」

「…………ううん」

紗耶の答えに、夏希の表情は綻んでいた。

「珍しい組み合わせ……何話してるの?」

別の作業を終わらせてこの小屋の前にやって来た小春。
目を丸くする彼女に訊かれるも、ルナと千秋は

「さぁ……」

としか答えようがなかった。
何しろ、猫を前にしてキャットワールドに旅立っているようにしか見えない。

「あ、いたの」

何の前触れもなく立ち上がった紗耶は、視界に小春を捕らえて呟いた。

「え、えぇ……まぁ……」

苦笑を滲ませる小春に歩み寄る紗耶。

「どんなことするの? このボランティア」

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