花嫁サークル!! 12
必死に首を振っていた彼女は、気づけば、また仰向けになっていていた。
「いくよ……」
悠は帰りに買ったゴムを着けようか一瞬迷ったが、初めてがゴムを隔てたものになってしまうと変に気を遣って、生のまま亀頭を密壺へ向ける。
「は……はいっ」
と言うか言わないかのタイミングで、ソレは肉壁を押し広げ始めた。
メリメリッと音がしたかもしれない。
だがしかし、彼女は決して痛いとは言わなかった。
ただ、強く目を瞑って、ギュッとシーツを握りしめていた。
その健気さに胸をうたれつつ、彼はゆっくりと腰を沈めていく。
反応を窺いながら、じっくり、でも、着実に一つになっていく。
そして、スッポリとおさまるころには、二人とも既に汗が滲んでいた。
「……動くよ?」
「はいっ……」
躊躇いがちなピストン運動が始まった。
シーツから離れた美鈴の手は、自然に彼の背中に回される。
どちらともなく互いの唇を求め、密着する。
「んっ……ん゛ん゛っ」
時折洩れる彼女の声は、徐々に喘ぎへと近付いていた。
快楽を得始めたのだ。
彼の腰の動きがリズミカルになっていく。
「……イクッ」
悠は深々と肉塊を突き立てると、素早くソレを引き抜いた。
ピクピクと波打つ美鈴の下腹部が、白濁に汚されていく。
やがてそれもおさまり、彼はベッドに倒れこんだ。
次に彼が気付いたときには、時計が0時を指す辺りだった。
部屋の中に、彼以外の姿は見受けられない。
暗闇の中で規則的に光を放つ携帯を、彼は腕だけ伸ばして取った。
着信の古いものから見ていくと、まず、美鈴からメールが来ていることに気付く。
<<今日はありがとうございました。
私、今日のこと、一生忘れません。
本当に、本当にありがとうございました>>
そんな内容だった。
彼は、何か複雑な想いを誤魔化すかのように、次のメールを確認する。
<<悠様、お願いしますっ>>
とだけの内容。
差出人はルナだった。
<<悠様ぁ……>>
これもルナだ。
そう言えばイク許可を出してなかったな、と彼は苦笑した。
今から返信をしてもおそらく寝てしまっているだろうと、彼は携帯を机の上に戻す。
しばらく呆然としていたが、何かを思い出したのか、彼はフラリと立ち上がった。
外に出て、はめ込まれた名札の裏をガサガサとしていると、そこから鍵が出てきた。
スペアである。
悠はそれをアパートの出入り口にある郵便受けに入れた。
(合鍵の場所は未調査なんだな)
と、内心で意外に思いながら部屋に戻る。
再びベッドへ身を投げようとしたが、一部分が黒みがかっているのに気付いたようだ。
破弧の痕跡である。
シーツを剥ぎ取った彼は、それを洗濯機へ放り込み、また、メインスペースへと戻る。