花嫁サークル!! 109
手首には黒い枷が巻かれていて、首に巻いた首輪のリードを繋ぐ輪のところにチェーンで繋がれていた。
体には色とりどりのフルーツが盛られ、所々に生クリームが搾り出されていた。
しかも、ルナとは最早セットとなっている例のローターが何時ものように固定され、各々のポジションに落ち着いている。
スイッチは入っていないようだが、ルナの呼吸は乱れていた。
まどか愛用の目隠しをしているが、小春の言葉で今の自分の姿が悠に見られていることを察しているのだ。
「どうぞ」
机を囲むB班のメンバーが悠の席を勧め、小春が椅子を引いた。
「危険なので蝋燭は用意してないんですが……」
小春が導くがままに悠の両手はローターのコントローラーに置かれる。
「火を消す感覚でスイッチを入れてください」
笑顔で言う小春が逆に怖い。
「悠様?」
「え? あ、はい……」
あまりの状況に困惑を隠せない悠。
だが下半身はしっかりと反応している。
メイド服の知り合いたちに囲まれた素っ裸の彼が、裸体の学園アイドルを前に誕生日を祝ってもらうのだから。
「ハッピーバースデイ、トゥーユー……」
せーのっという誰かの音頭で始まった恒例の歌。
机を囲むB班と彼の椅子を取り囲むように立つA班、さらには女体盛りの器であるルナまでも……つまり、サークルメンバー全員が歌を唱和する。
そして歌が終わり、悠は言われた通りにローターのツマミを少し回した。
「あんんっ!」
ルナの喘ぎと共に沸き起こる拍手。
ごく自然の流れである。
ルナは一瞬膝を弾ませ、しかし直ぐに股を開くよう努力し始めた。
「どうぞ?」
「はい、あ〜ん……」
「さっさと口開けてっ、ください」
小春の胸に挟まるサンドイッチや箸に摘ままれた豚のしょうが焼きを差し出す愛、スプーンで掬ったオムライスを促す千秋が口元を攻め立てる。
「それとも、さっそくこっち食べる?」
まどかがフォークの先でルナの脇腹をつつくと、ルナの身体は躊躇いがちに捩れた。
しかし食器が食材を落とす訳にもいかず、彼女は細心の注意を払ってモーションを最小限に抑えようと努力する。
その姿がまた愛らしく映るのだった。
「んふう……んぶぶっ……」
「んちゅっ……はあぁん……」
テーブルの下には志穂と美穂が潜り込み、愚息の奉仕に吐息を洩らしていた。
二人の頭が忙しなく動く様子しか見えないまどかは、まだ何とか耐えられる状態なのだろう。
しかし、嫉妬心が先だって恐怖は思ったよりも抱いていない。
そのことに、まどか自身が驚いていた。
「ご主人様……」
ここでも飲み物担当なのか、純華は口に含んだ烏龍茶をくちゅくちゅと鳴らし、悠の口へダイレクトに流し込む。
その顔は明らかに上気していた。