PiPi's World 投稿小説

花嫁サークル!!
官能リレー小説 - ハーレム

の最初へ
 99
 101
の最後へ

花嫁サークル!! 101

次の日。
登校日のその日、少し早い時間に愛とまどかの姿が屋上にあった。

「何? 話って」

「うん……」

まどかに呼び出されていた愛は、彼女の様子に微妙な空気の違いを感じていた。
しかしその原因はわからず、不安げにまどかを見つめることしかできない。
そのまどかは、ただフェンスの向こうに目を遣っていた。
そしてそのまま、重い口を開く。

「愛があいつを好きになった理由……言っちゃった」

「えぇっ?!」

予期せぬ事態に声を上げる愛。

「どうしてっ?! なんで? そんなことしたら……」

「うん……サークル辞めるってルナに言おうと思ってる。全校集会の後に」

ちらほらと見えてくる生徒の影を見下ろしているまどか。

「私がいると……愛に迷惑かけちゃうじゃない? だから……」

「…………だから?」

愛はまどかの体を掴み、自分の方に顔を向けさせる。

「あんた、私の何なの?」

「……え?」

「皆あんたは私のライバルだなんて言うけど、聞いて呆れるわっ」

「………………」

何も言い返せないまどかに、愛はなおも続ける。

「何か勘違いしてるみたいだけど……私はね、同じ条件の中で勝利を勝ち取りたいの。わかる? あんたのために、あんたの傍に居る訳じゃないんだからっ」

「ぁ……ぃ……」

「それとも何? ホントは好きじゃないの? 私たちをからかってたのっ?!」

「違う! 私はっ! 私は……」

真っ直ぐな愛の瞳を直視できず、まどかはたじろいでしまう。
しかし、気持ちまで否定はされたくない。

「私は久遠が好きっ」

まどかの瞳孔に愛の顔が写り込む。
涙を溜めた、彼女の顔が。

「……なら、辞めるなんて言わないで?」

まどかの目尻を優しく拭う愛。
彼女の瞳からも溢れそうなことをまどかは知っている。
それでもまどかの方を気遣う愛の優しさを、彼女はずっと瞳に写していた。

「……サークルを続けるなら、ちゃんと決まりを守らないと」

「うん。そうだね」

ペナルティを受けるはずのまどかは、何故か嬉しそうに笑っていた。
サークルの規定に沿うことが、サークルの一員であることを実感させているかのように。
だがしかし、そんな生温いものでないことも、心のどこかで理解していた。
やがて全校集会の時間になる。
文化祭の投票冊子が生徒に配られた。
冊子は有志団体の所属者と催し内容が書かれており、その補足説明が簡単にされる。

「花嫁修行サークルの代表者は前に出てください」

花嫁選考サークルの番になり、花音とルナ、そして愛が体育館の舞台に上る。
教壇のマイクを握るのは花音だ。
全校生徒の前で話すことに一番慣れているからである。
ルナは責任者として、愛は票集めのマスコットとして花音の両脇に下がっていた。

SNSでこの小説を紹介

ハーレムの他のリレー小説

こちらから小説を探す