PiPi's World 投稿小説

闘技場に呼ばれた少年達
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 5
 7
の最後へ

闘技場に呼ばれた少年達 7

彼は目の前の牛マスクの少年達が既にミノタウロスの力を得てしまってる事に気付いた。
シェブデンは早速その力を獅子のマスクの男にぶつけた。まずは身を屈め相手の足を払うようにタックルする。
しかし相手はそれを軽くジャンプして回避すると、そのまま空中から斬撃を放った。
シェブデンはその攻撃に対して体を捻るように回転させ、遠心力を乗せた回し蹴りを放つ。それは見事に男の獅子の頭部に命中したが、男は平然としている。
まるで鉄でも蹴ったかのような感覚を覚えた。獅子のマスクが硬いのではない、おそらく男の体そのものが頑丈なのだ。
それでもシェブデンの闘志は燃え尽きなかった。被らされたマスクによって相手が強ければ強い程燃える精神状態になってしまっているのだ。
その後も二人は激しい攻防を繰り広げた。
お互いの攻撃がぶつかり合うたびに衝撃波が発生し、壁が揺れる。
だが両者とも一歩も引かず戦い続けた。
そのうちシェブデンの左右に居た少年達までもがこの激闘に加わってきた。
彼等の力はシェブデンには劣るが、十分過ぎる程の戦力になった。
三人の少年による波状攻撃を男は捌き続ける。そしてついにその均衡が崩れ始めた。
一瞬の隙を突いて男の背後に回った少年の一人が、渾身の一撃を振り下ろす。
それを察知したのか男は振り向きざまに拳を突き出した。二人の拳が激しくぶつかると辺り一面に雷のような閃光が走る。
それによって体勢を崩した少年だったが、すぐさま立て直すと今度は横薙ぎの一閃を放った。男はそれを剣で防御した。
やろうと思えば剣で斬りつける事は出来ただろう。だが、あえて少年の攻撃を受け止めたのだ。
少年の攻撃をまともに受けた彼の剣からは煙が出ており、刃こぼれまで起こしていた。
男の目的はシェブデン達を殺すことではない、無力化する事だ。
その為に素手で戦いわざと攻撃を受けたのだが、ここまで戦えるとは思ってもいなかった。
男は構えを取り直した。
「もういい加減降参しろ」
男がそう言うと、シェブデン達の動きがピタリと止まった。
言葉が通じているのかいないのか、もはやシェブデン本人にすらわからない。だが体は自然とその言葉に反応していた。
今の戦況は男が有利なわけではない。むしろこのままでは負ける可能性の方が高い。
不利な男の方が相手に降伏を呼び掛ける、この状況は明らかにおかしい。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す