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ナジン伝
官能リレー小説 - ファンタジー系

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ナジン伝 9

「第四兵団が追跡していた王妃サフィーア一行を見失った」
「……なん…だと…」
女たちに奉仕させながら姉からの報告を聞くゴルバドスは、眉根をピクリと上げた。
「奴隷移送部隊と交戦してからの足取りがつかめない、とのことだ。……兵団の幹部どもは既に連行しているが、どうする?」
「本来なら処罰するところだが………王妃たちの情報が欲しいところだ。後で俺が直々に尋問する」

「わかった。しかし姉を前にしてその姿は良くないぞ」
「姉上こそ、人が楽しんでいる席に入ってきたのではないか」

ゴネリルに窘められたゴルバトスが言い返すと、ゴネリルは一つため息をついた。

「ま、ほどほどにな。性病をうつしたり間諜に入られぬよう、気を付けろよ」
「わかっているさ。で、良い急報とは?」
「第二兵団が、シャンプレーン運河を制圧した」
「本当か!!」

シャンプレーン運河。それはメナム王国が持つ重要航路だ。シャンプレーン地峡を開削したこの運河を通る多くの商船との交易や通行料収入が、メナムの財政のかなりを支えていた。
それが今や彼らの物となったのだ。



「絶対に奪い返されぬよう、第二兵団はシャンプレーン運河を厳重に防衛しろ。周辺を完全掌握したらその向こうはエンベル連邦だ。余計な手出しは絶対するな。こちらからも増援に5千名ほど送れ。」

女達の奉仕を受けながら、ゴルバドスは命令を下す。

「わかった。船の通行はどうする?」
「ひとまず、他国の船はこれまで通りの通行料で通してやれ。そうすれば他の国は無理に動きはしないだろう」
「賛成だ。すぐに命じよう」

ゴルバドスが手早く、それも彼女の考えとも合う命令を下したので、ゴネリルも命令を伝えるべく部屋を出て行った。
伝令の者を呼びつつ、彼女は思う。
(ゴルバドス、ただの勇猛な女好きではないな。我が弟ながら頭が足りないかと思っていたが、そうでもないようだ)

その頃、ナジン達の砦では、久々のパーティーが開かれていた。
メノリの懐妊を皆が祝福し、ささやかながらも山の幸や川の幸をあつめた質素なものではあったが、皆で食べ、語り合い、今までの苦労を思い、団結を深める。
メノリはあまりにも嬉しくて、涙ぐんでいた。
そして……
パーティーを終えた後、ナジンはサフィーアの部屋にいた。
サフィーア王妃が、ナジンの前で服を脱いでいく。
一男一女の母とは思えない、綺麗なスタイルを保った気品のある肢体が、松明に照らされる。
「ナジン様…貴方がメノリを妻としていることは存じております。ですが、私にも、貴方の種を、いただきたいのです。そして、私は貴方を、終生愛します」
眼前の高貴な未亡人が、静々と服を脱ぎ、言葉を紡ぐのを、ナジンはじっと見入っていた。
「僕で、いいのですか?僕は、単なる平民ですよ」
「貴方に、私達の子孫を紡ぐ大役を託すというのに、生涯貴方を愛しなくて、どうして王妃を名乗れましょうか。どうして女と言えましょうか。それに、皆との様子を見ていれば、ナジン、貴方が良き男性であることはよくわかります。さあ、何も遠慮は要りませんよ」
やさしく両腕を開き、サフィーアは彼を迎える。
「わかったよ」
ナジンも覚悟を決めたように頷いて、サフィーアと抱き合う。

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