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近所のお姉さん
官能リレー小説 - 年上

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近所のお姉さん 29

「ほら京子!せっかくの旅行なんだから、何時までもそんな暗い顔してちゃダメよ!!もっと楽しまなきゃ!!」
「ええ、そうね。ごめんなさい景子。そうするわ」
そう言うと京子は友人を心配させない様意識的に無理して笑みを浮かべた。
今回彼女たちは大学の年末休暇を利用して、麻衣の父親が持っている別荘に、三泊四日のスキー旅行に行く事にした。
友人たちの誘いに最初は余り乗り気では無かった京子だったが、彼女たちの強引な誘いと、裕也との失恋を忘れる為の気分転換にと、この誘いに乗る事にした。
「ところで、麻衣と百合香はどうしたの?」
「ああ!彼女たちは色々と準備を頼んだから私たちとは別に別荘に向かってるわ!・・・もしかしたらもう着いてるかも知れないわね!!」
「そう・・・言ってくれたら私も手伝ったんだけどな」
「フフフ・・・まあ、色々と事情が有ってね!(・・・京子に言ったら絶対に来ないって言い出すと思ったから・・・)」
「なに?」
「ううん!何でもないわ!!」
そう言った他愛無い会話を交わしながら、景子が運転する車は、雪道を滑るように走りながら目指す別荘へと直走るのだった。
「着いたわ!ここが麻衣の家の別荘ね!」
「へ〜・・・割と大きいのね・・・麻衣ってお嬢様だったんだ・・・」
京子たちが通う大学から車で三時間位の場所に、目的地である別荘が在った。
その別荘の外観は丸太で造られており、まるで外国の映画に出てくる雪国のコテージの様だった。
「麻衣が言うにはスグ近くに湖やスキー場も在るそうよ!夏も、冬も、楽しめるって訳ね!・・・浴室は温泉を引いてるって言ってたし、ユックリ羽を伸ばせそうね!!」
「うん!」
京子は景子の言葉に軽く肯くと、先に車を降り、バックを持って麻衣の別荘へと近付いて行く。
「ん?・・・どうやら麻衣と百合香はもう着いてるみたいね」
京子は別荘の駐車場に車が一台先に止まっているのを見て、そう言って笑みを浮かべた。
(何時までもクヨクヨしてたら、皆に余計な気遣いをさせちゃうからね!せっかく皆が誘ってくれたんだから、心から楽しもう・・・)
京子はそう決意すると別荘のドアを開けながら、元気良く挨拶をした。
「麻衣!百合香!!待たせちゃったわね!今着いた・・わ・・!?」
「あ!京子お姉ちゃん!!」
ドアを開けたその場所には、彼女が愛する少年である下野 祐也(しもの ゆうや)が立っていた。
「な…何で…?どうして裕也君がここに…?…?…?…?」
あまりにも突然の裕也の登場に京子は思考停止状態、頭の中が真っ白になってしまった。そこに麻衣と百合香が出て来る。
「おぉ、来たな!京子、景子」
「わ〜い!みんな揃ったし、さっそくスキーでも…」
「ちょ…ちょっと待って!え!?何!?どういう事!?」
我に返った京子は慌てて友人達に尋ねる。
「ん?何をそんなに慌てふためいている?」
「とぼけないでよ!何で裕也君がここに居るの?」
「私が誘ったんだ。…裕也君が居たら何か都合の悪い事でもあったか?ん?」
麻衣はニヤニヤと微笑みながら言う。
「い…いえ、別に…ちょっとビックリしただけ…」
そう言われれば京子も大人しく引き下がるしか無いのであった。
「景子ぉ…(麻衣と百合香に喋ったわねぇ〜?)」
京子はジト目で景子を睨む。
「あはははは…あ!ところで私、今回のためにスキー道具一式揃えちゃったんだよねぇ〜。みんな見る?」
景子は笑って話を逸らした。
「あ…あの!京子お姉ちゃん!」
裕也が意を決したように京子に話し掛ける。
「は…はい!」
それに対して京子はビクッと反応した。
「あ…あの…その……あ!ひ…久しぶり…だね…」
「う…うん…久しぶり…」
ぎこちなく挨拶し合う二人。その様子を横目で見ながら景子、百合香、麻衣は二人に聞こえない程の小声で話し合う。
(なんかカタいわねぇ…)
(別れた元カレと偶然再会しちゃった時の気まずい雰囲気そのまんまって感じです…)
(先は長そうだな…)

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