PiPi's World 投稿小説

もうじき
官能リレー小説 - 人妻/熟女

の最初へ
 8
 10
の最後へ

もうじき 10

「このあたりは修験者の修行の山のひとつでもあり、近隣の地からは湯治とおまいりで庄屋などが訪れることがありました。歓楽街など昔はありませんでしたから、そうした役目も押しつけられていたのです」
目の前にいる巫女の恵美が遠い過去から訪れて話をしている気がした。身内から戦争体験を聞かされたときの緊張に似ている。
「お布施を寄付することで裕福な者はここで買春していたのです。昔は家業は先祖から受け継ぐ生業で他の仕事をして土地を離れることが許されません」
女の恨みが眠る地ということなのだろうか。吉原は幕府公認だったが他にも宿場やこうした地域があったということらしい。
「今はそんな昔のことを知る人も老いて他界していますし、まず山に暮らす人は過疎化であまりいません。それでも因縁だけは残ってしまった」
巫女の恵美が自分の手を見つめた。
「この土地の女は、不思議なことに見た目はあまり老けることがありません。もちろん、一定の年齢になれば生理が上がって子を産むことができなくなるのはかわらないのですが。
子を産まなかった女は、見た目は若いまま死んでいきます。この土地の女はめったに子が授からず、産んでもなぜか娘がほとんどで、男の子は生まれにくいので すよ」
「まさか、そんなことが」
「私が五十歳に見えますか。昔は人生五十年と言われていましたが、子を産めなくなった女は長生きするほど見た目は若返ります」
閉経を迎えても、見た目は若い女性たちは、男たちにとって孕む心配がなく中出しできる。だから、男たちの欲望の捌け口として、この土地の女たちは利用されていたということになる。
「それだけならここの土地で生まれた女だけの問題にすぎません。
みんな美人ですね、と先生は言ってくれますがそれが呪いのせいだとしたらどうしますか?」
「呪い……ですか?」
「ええ、そうです」
女将の望月香織が呪いと言うことを話し始めると、手を握っている綾香が身震いした。
イザナミは「私はこれから毎日、一日に千人ずつ殺そう」と言い、これに対してイザナギは「それなら私は人間が決して滅びないよう、一日に千五百人生ませよう」と言ったという。
「男子が生まれにくいということだけなら婿とりすれば家系はとだえることはありません。この土地の女たちは、男を魅了してしまうのです。
惚れるとか恋愛感情を抱くというのではなくて、そうですね、興奮が高められて、体力や性的能力の限界に関係なく、勃起して否応なしに女性に奉仕するようになるといえばいいか」
綾香と普段よりも激しくしたのに、さらに朝勃ちして抜いてもらった。その日のうちに巫女の恵美に欲情してまた勃起して射精した。
言われてみると、もっと自分は性に淡白で、セックスも疲れるのでめんどうだと思うほどだったのに、ここに来てから、どうもおかしい。
「思い当たることがあるな」
「女たちも男性がその気になってしまうと、抗う気持ちが薄れてきて身を捧げてしまうのです」
「私の父親も壊れてしまっていたわ」
綾香が覚悟を決めたのか吐き出すように言った。
水の女と呼ばれる女性たちの末裔。
綾香の過去について、こちらが妻や娘がいることもあり、あまり詳しく話を聞いたことがない。
両親とは死別していて、親類がこの土地にいると聞いているぐらいである。

SNSでこの小説を紹介

人妻/熟女の他のリレー小説

こちらから小説を探す