オレはサイボーグ 7
「新しい女王はレズビアンで極度の男嫌いなんです。女王は権力に物を言わせて男を収容所に閉じ込めました。
さらに、女達に女性どうしが愛し合うように魔法をかけ女王の理想の世界になったのです。しかし、魔法がかからなかった人もいます。ミミもその一人なんです。」
「へ〜。んで女同士に嫌気がさしてやってきたって訳か」
「いえ、少し違いますよ。ミミは女王から国を取り戻すためにこの世界にきたのです。この世界には女王の魔力の源があるのです」
「魔力の源?」
「そうです、魔法使いも魔力がなければただの人ですから、女王の魔力の源は乙女の心なんです」
「乙女の心?」
「女王は純粋無垢な乙女に女同士の悦びを覚えさせることで心を奪います」
「つまり、レズ調教するんだな?」
「はい…そうやって心を奪われた乙女が女王に思い焦がれるキモチが女王の魔力になるのです」
「はぁ、ざっくりとはわかったけど、それでなんでミミはこの世界に来たんだ?」
「だから、女王の魔力の源の乙女を女王から解放しに来たんですよ」
「つまり、女王がレズ調教したのはこっちの世界の女なのか?」
「そうなんです、女王に隷属した女は特殊な魔力を帯びているので近くにいれば特定できるのですが…」
「ふぅん。それで、どうやって女王から解放するんだ?」
「解放?そんな面倒なことはしませんよ。可哀想ですが処分します。」
ミミは表情一つ変えずに恐ろしい事を言い放った。
「おい!そりゃいくら何でもダメだ」
「じゃぁ、どうするんですか?このまま女王に魔力を送られてはミミ達の世界のたくさんの人たちが困るのですよ」
「だけど、その乙女ってのは何も知らないんだろ?それなのに殺すなんてのはいくら何でも見逃せない」
知らないところで起きたことならこんな気持ちにはならなかっただろう。
しかし、目の前で私は人殺しをしてきますと言われて無視できるほど腐ってはいない。
「…そうだ!オレが協力してやるから殺すなんていうな」
「協力?」
ミミは人差し指で唇を押さえながら首を傾げた。
「そうさ、ミミの魔法とオレのサイボーグのチカラを合わせれば解放できる。オレが男のすばらしさを教えてやる!そうすれば女王の呪縛も解けるだろ?」
「そうですね、ミミ達の都合で命を奪うのは乱暴ですね、それでは勇様、よろしくお願いします」
そう言うとミミは倒れてしまった。
湯槽につかったままの長話しでのぼせてしまったのだ。
「あぁ、オレもやばいな…」
オレはミミを抱えて風呂からあがった。