オレはサイボーグ 6
本当はまだまだ犯してやるつもりだったが、やめたほうがイイな。
オレ達は汗を流しに風呂場へ向かう。
「あら、ミミちゃんともしちゃったのね。
兄妹なんだから避妊はしっかりね」
途中すれちがった母がそう言った。
あれ?おかしいぞ、今の様子じゃ、ミミは本当にオレの妹みたいに扱われてる。
「なぁ、母さんになにをしたんだ?」
シャワーを浴びて二人で湯船に浸かるとオレはミミに聞く。
「はい?ママには何もしていませんよ。さっきも言いましたけど、ミミは魔法で勇様の妹になりました。だから、ママの接し方はあれが普通なはずですよ?」
また、魔法か…
本来、信じられた話じゃないけど、実際の状態や自分の身体に施された改造なんかも考えると無い話しではない。
最初は尾行でもしたのかとおもったが、オレの妹なのならば家にいるのも当然な話しで、オレをこんな身体にした倫理観を考えると母のさっきの様子は決しておかしくはないのかもしれない。
「なぁ?魔法使いってのはなんでもアリなんだろ?だったらなんでわざわざ妹になんてなったんだ?オレの身体が目当てなら洗脳でもしたほうが早いだろ」
「いいえ、魔法は万能な訳ではないの、それにミミの目的も勇様の身体ではありません」
「じゃ何が目的なのさ」
「それはですね……」
ミミがクルクルと指を回し洗い場を指差すと浴槽からお湯が少量飛んでいくと薄いスクリーンになる。
「おお!最初からこういうわかりやすいのをしてくれればいいんだよ」
オレがそんな事を口にしているとスクリーンに映像が映る。
その映像はなにやら工場のような場所で働く男達。
しかし、その状況は異常だ…
男達は皆みすぼらしい姿で、痩せこけている。
さらに疲労からか倒れる男がでると、看守のような女が現れ、罵声を浴びせながら男に鞭を振る。
「なんだこれ…」
スクリーンの映像は場面が切り替わりまだ続く。
今度は、街の中の映像だ。石造りのレンガの街並みだが、その建物は見たことの無いデザインをしている。
それ以外は普通に見えるが何かがおかしい…
そうだ、男が一人もいない…
「これはミミの住んでいた世界。以前は素晴らしいところだったの…
だけど、新しい女王になってからは…」
ミミが語り始めた。