PiPi's World 投稿小説

学園の花婿―第二部―
官能リレー小説 - ハーレム

の最初へ
 2
 4
の最後へ

学園の花婿―第二部― 4

そして、そんなこんなで日が進み、船は漸く速度を落とし始めた。
生徒達は今日も実習を行っていたのだが、キリがついた所で集合が掛かる。
「間もなく下船します。下船後直ぐに入国審査を受け、今回の研修の宿泊先に移動します。
貴女達は『良一様の為に』淑女にならなくてはなりません。異国の地で珍しい事、想像も出来ない事も多々起こるでしょうが、常に落ち着いて行動して下さい」
「「「はい!!!」」」
千乃が「想像も出来ない事」の部分を強調していたのを何人の生徒が気付いたかは分からない。
生徒達は「良一様の為」に日頃から整理整頓を指導され、尚且つ良一様のお側にいる為にはいつでも何が起きても良い様に指導されていた。その為、準備は自然と整っていた為、下船準備は直ぐに終わった。

船は港に入港し、予定通り入国審査を終え、生徒達にとってはサプライズが待ち受ける、千乃や教師達にとっては、待ちに待った宿泊先に向け移動した。



――――――――




話は遡り、再び7月22日。
「移動ルート・警備内容の最終確認は終わったかしら?」
「はい。万事抜かりはありません」
「そう。では行動を開始するわよ」
「はい!」
声の主のサラは、移動手段である花園家専用ヘリコプターをいつでも離陸出来る様に準備をしに行く。
そしてもう一つの声の主の麗那は、
「今日から良くんは一杯動くからまだ寝かせておかないとね。良くんが倒れてしまったら大変だからね」
麗那は良一の元に近寄ると、良一を起こさない様にそっと抱き上げ、学園長室を出てヘリへと向かう。


ヘリまでの道中、生徒達の立ち入り禁止区域の外からヘリまでは警備局の面々が要所要所に立ち、良一に危険が及ばないか厳重に警備していた。
生徒達には今日の午前中は寮からの外出禁止令を出してはいるが、良一を起こさない様に雑音が起きない様にと警備しているのだ。
そして、ヘリの駐機場のある玄関前にはセリや唯達が待機していた。
「お姉様、いつでも出発出来ますわ」
「では、参りましょうか。良くんと私達の思い出を作りに」
良一と麗那達が乗り込むと、サラとマルスが操縦するヘリはゆっくりと離陸する。
ヘリの中は花園の最先端技術を駆使した作りで、贅を尽くされ、しかも良一が寝ている事を前提として完全な防音になっている。
そんな最新のヘリで麗那達は、空港までの数時間を良一の寝顔を肴に優雅にワインを愉しんでいた。

空港でも麗那は徹底していた。
花園の権力を使い、裏口から形だけの出国審査を受け、プライベート機へと移動。裏口を使うのは、一般人と同じ様に並ぶのが面倒という理由ではなく、良一を不特定多数の人間の前に晒し、危険な目に合わせる事が無い様にする為である。


SNSでこの小説を紹介

ハーレムの他のリレー小説

こちらから小説を探す