オタク女子に囲われました 25
「あらあらあら」
「管理人しゃんのお胸の中で〜ぐっすりですーねー」
困った風に言うけどなんか楽しそうな李衣菜ちゃん。
目がすわってきていかにも続いてダウン寸前の雰囲気を醸し出す萌花ちゃん。
いやどうすれば。
「今夜はこのあたりでお開きにしましょうか。管理人さん、申し訳ないですけど理美さん、お部屋まで連れてってもらえませんか?」
「あ、ああ…」
残念だが仕方ない。
今度みんなで集まるときは声をかけてもらおうと約束した。
そして理美ちゃんを抱え…これも管理人としての務めだ。
「うぅ、んんんぅう…」
可愛らしい寝顔だ。
身体を抱えてみて改めて、理美ちゃんの軽さに驚く。華奢でスリムな子だとは思ったが…
この身体で日ごろ激務をこなしていると思うと…
仕事は楽しいと言ってるけど、いつもいつも夜中まで仕事漬けで体調を崩してしまわないよう気をつけてほしい。
理美ちゃんの部屋に入り、寝室のベッドにそっと寝かせてあげる。
風邪をひいてしまわないように毛布をかけて、俺ができることはここまでだな。
起こさないように静かに寝室から立ち去るー
「……管理人、さん……」
立ち去ろうとした瞬間、ベッドの方から自分を呼ぶ声がしたので、ビックリして振り向く。
「目、覚ましちゃったかな、ごめん…」
「いえ…………大丈夫、です。……………私の方こそ、ごめんなさい」
さっきまでの酔っ払ってハイになった理美ちゃんはもういなかった。
「体調とか、大丈夫?」
「はい…………」
「じゃあ俺、自分の部屋に戻ー」
「…………一緒に、いさせて……ください…ちょっとだけでいいので……」
掠れた声。
途切れ途切れだけど、理美ちゃんはしっかりそう言った。
「いいのか?」
「はい……管理人さんに、一緒にいてほしいです……できたらこっちに、一緒に……」
それは、ベッドの中にということなのか?
俺までドキドキしてきたじゃないか…