オタク女子に囲われました 31
自分の部屋に戻って買い物の準備をしながら改めて真白ちゃんから受け取ったメモの内容を確認する。
彼女が買ってきて欲しい、と頼んできたのはカップ麺にお菓子、トイレットペーパー…など、まあ普通?な内容だった。
「他人とコミュニケーションを取るのが苦手な子なんだろうなぁ…」
俺にも心を開いてくれたのかちょっと確信は持てないし。
ほかに急ぐ用事もないので、自分の食事と合わせてさっさと買いに行った。
戻ってきて、コンコンと扉を叩くが反応がない。
「真白ちゃん?」
「あー、ごめん、ちょっと待って」
ゲーム中だったのかな。少し遅れて返事があって、それから扉が開いた。
「買ってきたよ。これだったね」
「うん、これだよ。ありがと……ちょっと入って」
「え?」
真白ちゃんに頼まれた物を渡すと、いきなり部屋に引き込まれた。
「な、何を…」
「今なら誰もいない……」
なんかぶつぶつ独り言をつぶやく真白ちゃん。
誰もいないって、どういうこと。
「管理人…」
「腹減ったか?ゲームに夢中だから、俺に作ってほしいとか?」
「ち、違う」
クールだと思った真白ちゃんの顔が少し赤く染まる。
「か、管理人、ごめん、それと、ありがと…」
インドア派だからか元々なのかわからないけど、名前の通り色白な真白ちゃん。
ちょっとおどおどしたように赤く染まった顔は、その白さとのコントラストもあってとても可愛かった。
「構わないよ。管理人っていっても意外と暇な時もあるし、これくらい気にしなくていいんだよ」
「あ…ありがと……気を使ってくれて……」
真白ちゃんは、ちょっと伏し目がちになった。
「それに、ご飯は用意した……」
「あっ…」
真白ちゃんの後ろに小さなちゃぶ台があって、そこには二人分のご飯が用意してあった。
普通の家庭料理って感じの、どこの家にもありそうなお昼ごはん。
炊き立てのご飯からは白い湯気が立っていて、俺が買い物に行ってた間に用意してくれてたのがわかる。
インスタントの味噌汁に、冷凍食品のおかずが数点、野菜を切ったのにドレッシングをかけたサラダ。
「へぇ、真白ちゃんも料理するんだね」
「大したものじゃない…」
「いや、でも自炊するってのは立派だよ」