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オタク女子に囲われました
官能リレー小説 - ハーレム

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オタク女子に囲われました 17

美奈ちゃんが出かけて行った少し後、アパートの周辺を掃除して回る。管理人としての務めだ。

「おはよう」
「ああ、おはようございます」
2階の廊下に立って煙草を吹かす詩織さんと視線が合って、挨拶を交わす。

「真面目だねぇ」
「みんなが住み良くなれるのが一番ですから」
「ふふふ、それじゃ、私もお手伝い頼もうかなぁ…」


「いいですよ?片づけか何かですか?」
「それもいいけど、私の部屋は片付いてるから、仕事のほうね」
「アシスタントですか?素人ですよ?」
「いきなり絵を描かせたりはしないって。とりあえず掃除終わったら私の部屋に来て」
「はい」

詩織さんは携帯灰皿をすっと取り出して、煙草の火を消すと部屋に戻った。
俺も2階廊下の掃除をすれば終わりだったから、さっさと終わらせて詩織さんの部屋に入った。
結構片付いた部屋だけど、大型デスクにはディスプレイが2台乗っていて、液晶タブレットも載っていた。デジタル作画の機器類だ。

「遅くなりました」
「早速だけど、これを見て?」

片方の画面を見せられた。

「ネームっていってね、漫画の下書きなんだけど…この後のシーンで詰まっててね」
「どんな作品ですか?」
「とりあえず読んでみて欲しい」

ってこれ、某有名青年誌で結構人気のあるファンタジー作品じゃないか。このまえ10巻が出たんだっけ。青年誌なので、時々Hシーンもあったりする。


「俺もこれ、読んでますよ。うわぁ…最新のシーンが読めるなんて俺…」
「ほう、管理人さんも読者だったんだね。嬉しいな。
でもこれはまだネームだから、この通りの話になるとは限らないけどね」
「ああ、下書きなんでしたね」
「大筋はもっともっと先まで決めてるけど、これが最新部分の下書きさ」
「でも、雑誌から3話くらい飛んでませんか?」
「ストックさ。最新号に載ってた部分の4話後のシーンだからね。ストックがあれば急病などの時にも凌げるし、1話描くのに雑誌1号分以上の時間がかかってしまった時にも何とかなるから、作れる時にはできるだけストックを作るようにしてる」

俺の中では漫画家って、締切を破ってばかりいるイメージがあったけど、そうでもないんだな。

「余裕をもって描いているんですね」
「ああ。そういう自己管理も大事だよ。でもこの先で詰まっててね……。この先をどうしたらいいかで悩んでる。一度ライバルに出し抜かれた方がいいか、そうしない方がいいか…。ああすまない、ストックの3話も読まないと、わかりにくいな」

詩織さんがPCを操作して、もう一つのディスプレイにストック分の3話を表示する。
早速読んでみる。主人公とライバルの激しい抜きつ抜かれつのデッドヒートというシーンだ。

「こんな風になるんだ…いいですねこれ」
「そういって貰えて、とても嬉しいよ…念のため言っておくが、この3話と今書いている1話の内容は、発売までは絶対他言無用だよ」
「え、ええ」

俺は素直に讃嘆したが、彼女はそれに喜んだのもつかの間、急に眼光鋭く、ビシッと言った。
そりゃ漏らされたら大変だ。強く釘を刺してくるのも当然だろう。
俺が一通り読むと、彼女に聞かれた。

「こっちのネームだが、途中の3話を踏まえて、どうしたほうがいいと思った?」

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