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ハーレムなんかクソくらえ
官能リレー小説 - ハーレム

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ハーレムなんかクソくらえ 27

「先生、俺は女性を虜にできる体質なんですが、虜にした女性たちをへだてなく愛することかできないか悩んでいて、夜に眠れないことがあります」
綾公路莉緒は微笑を浮かべてうなずきながら、机の上のメモ用紙に、誇大妄想、不眠、とドイツ語の医学用語で走り書きした。
「信じてもらえない話だと思いますけど」
「もう少し詳しくお話を聞かせていただけますか」
「はい。虜になるというのは、惚れてしまうということです」
「現在、何人の女性と親しくなさってますか」
「四人です。そして、今週中には六人になる予定なんです」
うなずきながら、メモ用紙にセックス依存、と走り書きが追加された。
「夜に眠れないのはお困りでしょう」
「ええ、翌日がつらいです」
「眠れなくなる原因が、たとえば仕事上でのお悩みであったり、失恋や親しい身近なパートナーがお亡くなりになられたりした悲しみなどの人もいらっしゃいます。逆に自分では原因が思いつかない人も、たまにいらっしゃいます」
パチプロの恭子の葬儀が終わったあと、眠れなくなったとき、俺は眠るための酒に溺れた。
綾公路莉緒はすばやく、不眠、という用語をペンを走らせて丸で囲った。
過去を思い出した表情と昨夜の女社長山崎さんとのセックスで、たしかに俺には寝不足の疲れが顔に出ていたのかもしれない。
「睡眠薬をお出しすることもできますが、原因を自覚しない限り、服用薬に対して体が耐性がついて効果が落ちてくると、もっと強い睡眠薬を処方して眠りにつくしか方法がなくなります。そうならないうちに、催眠療法などで原因を探ってみることもできます」
「催眠療法?」
人がたった一度のキスで身も心も捧げたくなるようになる症例が、心理学にはあるのではないかと、専門家の綾公路莉緒に俺としては聞いてみたかった。
かつて薬物に溺れた看護師の美恵子のようになる前に、依存から脱却させる方法がないか。
だが、どうも、綾公路莉緒はそんなことがあると信じていない様子だ。
自分が体験してみないと信じないタイプなのか。
「俺とキスした女性は依存するほど惚れる。先生はそんなことがあると思われますか?」
俺は立ち上がると、まだ座ったままで驚いた顔で見上げている綾公路莉緒に身をかがめてキスをした。
強引に舌をさし入れる。
「ふぐっ、んんっ!」
俺の肩や胸のあたりを手で押してキスから逃れようとするが、俺は綾公路莉緒の華奢な手首をつかみ、唇を重ね続けた。

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