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ハーレムなんかクソくらえ
官能リレー小説 - ハーレム

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ハーレムなんかクソくらえ 24

北河遥の転属の結果、俺の昼寝用執務室は歴史編纂課からコンプライアンス対策部と名前が変わった。
パワハラやセクハラの相談窓口は総務部が兼任していたが、その業務だけを総務部から移したらしい。
パワハラやセクハラの電話受付の対策チームが元コールセンター業務経験者を新規雇用して、相談があれば情報を録音しつつ相談を聴く。
それをAIが相談者の音声や口調、発言した言葉から危険度を判断する。
それを平日は毎日、北河遥が俺のネット動画鑑賞用で使っていたパソコンでチェックする。これも対策の緊急性の高い相談をピックアップして表示するシステムを北河遥は一週間で追加してみせた。
危険度、相談者のストレス度が高いと判断される事例は北河遥が相談者に連絡を取り、別の階の隠しカメラつき面談室で面談する。三ヶ月後には面談員の教育研修が完了して、北河遥が面談する必要がなくなる予定。
俺はその様子を執務室のパソコンから観察する。
面談の動画は弁護士やカウンセラーなどのサポート担当者にも配信され、協議して、最終的に社長が問題を起こしている社員に減給や懲戒解雇などを決定する。
自社でシステムを導入し、その成果からパワハラ、セクハラ対策AIシステムとして販売提供する計画らしい。
個人的な私怨や自作自演の訴えだと判断された社員には厳しい処分で対処する。
どうすることもできないとあきらめて社員が自主退社したりしたあとの情報漏洩による風評被害や、民法上には会社の管理責任があるため被害者の社員との示談などに支払われる金額を考えれば、部署の新設とシステム導入で経費削減ができるらしい。
まだ試作段階だが、AIシステムの構築や改良は俺にはできないが、北河遥ならできる。
以前より、リスクアセスメント対策AIシステムの要望は顧客の要望としてあったので、俺の知らない間に準備が進められていた。
被害者のストレス度を表情から判断することができる俺と、特別な研修を終えた社員たちであっても判断力にはかなりの実力差がある。
俺は相談員として適任者だと社長の山崎さんは判断した。
ストレス度の高い女性は俺に惚れやすくなる。心を開いて相談しやすいというわけだ。
相談窓口のコールセンターチーム。
相談員たちの面談チーム。
試作AIシステム管理チーム。
弁護士や精神科のカウンセラーなどによる評議会。
これらのチームによって、俺が部長と北河遥が次長のコンプライアンス対策部はできている。
ここでパワハラ、セクハラがあったら、この会社はどうやって対策を行うつもりなのだろうか。
コンプライアンス対策部からの報告を受けて、事実確認を行う社長直属の諜報部のような部署に所属している社員もいるらしいが、それに関しては俺も誰がそうなのかは教えられていない。
だから、コンプライアンス対策部にも諜報員っぽい社員が含まれていると思われる。
女社長の山崎さんの元タクシードライバーの女性運転手のように、冷静に顔にも出さずに事実を調査し報告するんだろうな、きっと。

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