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ハーレムなんかクソくらえ
官能リレー小説 - ハーレム

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ハーレムなんかクソくらえ 22

俺はうつむいて、アパートから離れた女社長の山崎さんの本社ビルに近い公園のベンチで座っていた。
たぶん、ひどく青ざめた顔をしていたと思う。
「ちょっと、何があったの?」
充血した涙目の俺が本社ビルの来客用のソファで、座っていたので、女社長の山崎さんが俺の前でしゃがみこんで顔をのぞきこむ。
「俺の話を聞いてくれないか」
「いいわ、私の部屋に行きましょう」
俺と女社長の山崎さんは本社ビルから、元タクシードライバーの女性運転手の運転する社用車で、山崎さんの暮らすマンションへ。
山崎さんと俺をマンションのビルの前に降ろすと、女性運転手は「おつかれさまでした、また明日」と落ち着いた声で言って走り去った。
驚いていても、顔や声に出さないようにしていたにちがいない。
部屋でソファに座って、俺の隣に山崎さんが座って顔を見ないように、でも寄り添うように、俺がリストラで解雇されたところから、美恵子が壊れていたことまで途中で何度も途切れながら話すのを、うなずきながら聞いていた。
「俺は今、どうしたらいいかわからない」
そこまで話をしたとき、ひたすら話の途中で口を挟まずに聞いてくれていた山崎さんが、ため息をついたあと俺に話しかけた。
「できることはないと思う。でも、それは、その時にできることはやってみたからじゃないかしら」
「なにもないか」
「ねぇ、君が虜にする前から君のことが好きな人が君にキスしたら、どうなるんだろうね?」
女社長の山崎さんはそう言って、顔を近づけてきたので、俺があわてて立ち上がった。
「私はね、海で会ったときから、この人のことが好きと思った。それって君の体のせいなのかな?」
「わからない」
「君が会いに来てくれたのは、私が君を虜にしたからって言ったら信じる?」
「まさか、そんなことが」
山崎さんも立ち上がって、俺を抱擁した。
「君を好きになったせいで不幸になったなんて考えないで。人を好きになってどんな行動をするかなんて、君が決められることじゃないんだからね」
泣いている俺の背中をさする手が優しく感じた。
「君のことが好きで幸せになれる女もいるってことをみせてあげるわ」
俺が顔をそらす前に、山崎さんが俺の唇を奪った。
老舗旅館の女将で未亡人の後藤さん。
女社長の山崎さん。
この二人は俺の体の秘密を知っていて、自分から俺の虜になることを選んだ
仕事のできるOLの北河遥。
俺の体の秘密を知らないが、俺に好意を持ってキスをして虜になってしまった。
英語講師のエミリー・ミラー。
北河遥と同じように俺の体の秘密を知らない。
身の上話を聞いているうちに親しくなって、エミリーからキスしてきた。たまに「俺の匂いが好き」と言うので、後藤さんのように特異体質の男性を直感的に察知する力があるのかもしれない。
元キャバクラ嬢の看護婦の高柳美恵子。
俺が自分の体の秘密を知らずに虜にしてしまった犠牲者。捨てられる不安をまぎらわすために薬物を使用して心が壊れてしまった。心が壊れたとき、自我が崩壊すると虜であることからも解放される。
今、美恵子が、どこでどうしているのか知らない。

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