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ハーレムなんかクソくらえ
官能リレー小説 - ハーレム

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ハーレムなんかクソくらえ 3

社員食堂で月見そばをすすっていると、むかいの席にやってきた女性社員がいた。
仕事ができる感じの目元が涼しい美人だ。
「ここ、いいですか?」
「あ、どうぞ」
目の前でランチAを食べている間に月見そばを食べ終わったので席を立とうとした。
「ちょっと、話でもしませんか?」
まっすぐ強気に見つめてくる視線に負けて、食べ終わった食器を片づけて席に戻ってきた。
「私は北河遥といいます」
名刺を渡された。こちらもいちおう名刺を渡す。
「社史編纂部?」
聞いたことのない部署だったのかこちらの名刺を見て、首をかしげる。
「営業部に見えますか?」
「見えないです。たまにプールで平泳ぎしたり、浮かんでるのを見かけますし」
北河さんは、プログラマーチームの女性チーフらしい。この会社のエリートコースといったところだ。
こちらの社史編纂部という架空の部署で、会社の歴史を記録している部署ということになっている。
プログラマーが営業部が依頼されてきた内容に合ったAIを企画立案して、客先から許可が出れば、そのプログラムを期限内に構築する。
「たまに気晴らしに私もプールで泳いているんですよ」
プールは右側は競泳選手のように泳ぐ人たち用で、左側は歩いたり、浮かんでいたり、のんびり泳ぐ人たち用となっている。
北河さんは右側でクロールしているタイプだ。
「学生時代は競泳選手でした」
それからなぜか映画の話をふられて、最近の映画は見てないことや、古い映画の話をしたら、北河さんもその映画監督の作品を知っていたので、いくつかのシーンの話を聞いたり、話したりした。
「映画館でいねむりしてそうなのに」
「したこともあるよ。夜勤で工場でネジをしめる仕事をしてた頃とか」
北河さんが話しかけて来た話を女社長の山崎さんにベットで話をした。
「彼女は優秀よ。でも仕事に厳しいタイプだから配置がえを希望する部下の社員もたまにいるわ」
「そうなんだ」
「気になる?」
「まあ、いちおう」
脇腹をつねられた。
「痛いから」
「彼女みたいなエリートコースの人があなたに積極的に話しかけるなんてね。真逆だから、気が合うのかしら」
「で、来週、映画に誘われてるんだが」
「行ってもいいですよ。でも、お酒に誘われたら断ってね」
「俺、お酒は苦手だから」
二日酔いになりやすい体質なので、女社長の山崎さんともお酒を飲まない。
「北河さんはお酒が強いらしくてね、仕事できるからいろんな部署の忘年会とかに呼ばれたら顔を出すし、酔わせて口説こうとした男性たちもいたらしいけど、全滅したみたい」
「っていう噂が社長までとどく会社もすごいな」
どんな映画に誘われているのかは、女社長の山崎さんは興味なしのようだ。
北河さんとは月に一度ぐらいのペースで映画に行き食事をするのと、たまに社員食堂で会うと雑談するようになった。
鬼チーフと呼ばれている美人社員が仕事中には見せないらしい表情で社員食堂で話しているので、またファンが増えたようだ。
女性社員からの人気もあって、北河さんはバレンタインには女性社員からもチョコレートを渡される。
プールで泳いでいるとスタイル抜群なのも、女性社員たちには素敵に見えるらしい。
「北河さんとはどんな関係なんですか?」
夕方、屋上で飲むコーヒーを社員食堂で買っていると、三人でやってきた女性社員に話しかけられた。
「友達だよ」
「つきあってるとかじゃないですよね?」
女社長とはおつきあいしてるけどな、と言ってやろうかと思ったがやめた。
たぶん、北河さんはエリートコースの男性社員との恋愛じゃなければ三人組の女性社員たちはファンとして認めたくない、という感じなのだろう。

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