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ハーレム国家-建設編-
官能リレー小説 - ハーレム

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ハーレム国家-建設編- 9

「こうやってお会いするのは初めてですねアウローラ姫…妾はオーディエンス『王国宰相』のシュザク、そしてこのお方が我が主…オーディエンス『国王』、ラングマルシュ王であります」
わざとそう名乗ったシュザク…勿論、大陸軍は解放軍の事を『賊軍』と呼んでいたのは知っている。
「ご丁寧な挨拶、痛み入りますわ…わたくしは確かにノイエ大公姫、駐オーディエンス軍上将のアウローラでございます…」
アウローラはそう名乗り、シュザクに気丈に答えを返す。

ノイエ大公家は王族の中でも末端に近いが、その受け答えは流石に王族である…シュザクは改めてアウローラに感嘆する。
「このわたくしの身はいかようにもなさって頂いて結構ですが…どうか部下達は温情をもって処遇していただけるようお願いします…」
アウローラ姫の毅然とした態度にはシュザクも『部下共々拷問でもして内情を吐かせる』とか『大陸との取引材料にする』と言った考えを多少たじろかせる。
だが、そんなシュザクと違いラングの飄々とした表情は相変わらず変化が無い。

「アウローラ姫…部下に関しては寛大に扱うが、姫君まで解放はできない…それでいいか?」
シュザクがびっくりする程はっきりと…美貌の姫にご執心する様子もなく淡々とアウローラに向かって言う。
「勿論、わたくしは敗軍の将…異存はございませんわ…」
丁重に頭を下げるアウローラにラングは頷く。
(英雄色を好むと言うが…ラングは只の女好きではなく本当に英傑であるな…ふふ、ラングに賭けたのも、身を任せたのも、あながち間違いではなかったの…)

自分を襲った一件や最近の行動でかなり評価を下げていたシュザクだが、改めてラングを見直す。
最初に出会った時、『粗にして野、しかし卑では無い』と言うのがシュザクのラング評だった。
そんなラングだが、その内に君主になる器を秘めているのも同時に感じとりここまで補佐してきたが…それが間違いでない事を改めて思い直した。


「さてアウローラ姫。
 これから姫には、あなたのお身内のことについて教えていただきたいのですが。
 ご協力願えますかな?」

気を取り直したシュザクは姫将軍に対し、めずらしくストレートな質問をぶつけてきた。
断れば力ずくで聞くぞと脅しているのか、相手に脅しは通じないと思ったのか。
それはラングにもよくわからない。
しかし前者であるならば、何としても止めようと彼は決めていた。
もう戦争は終わったのだ。
いずれはまたやりあう相手とは言え、無用な血を流すことは好ましくなかった。

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