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ハーレム国家-建設編-
官能リレー小説 - ハーレム

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ハーレム国家-建設編- 51

「げっそれもそうだな。現にこの間、シュザクを撒き宮殿を抜け出しナンパに行ったら、偶然非番のあいつに捕まって宮殿に連れ戻されてシュザクに折檻されたよな今思い出しても尻が痛い。」
腰に手を当てて苦笑するラング。

キャスカインに続く街道は三つ…キャスカインから中央部や北部を結ぶメルディア街道は、カルナ河の渡しの先から延び…南部へ続くオーエン街道はサルジア峠のサルジア城を経由…東部に続くイグニアス街道は、ベルタ峠のベルタ城を経由する。
それらが独立戦争でも幾度となく迫りながら、最後の最後まで攻略できなかったキャスカイン大城郭を成している。
シュザクをして『愚か者が守ろうとも、十倍の兵力を要する』と言わしめた難攻不落の都市なのである。

もし、帝国が再侵攻してきても、キャスカインに直接攻撃を仕掛ける可能性が少ないのは、入り口が狭いキャスカイン湾に帆船で入る不利が著しいからだ。
帝国も、この都市の難攻不落ぶりは良く解っている。
その為、キャスカインの町そのものには城壁が無い…町の境界辺りになると、段々家が少なくなり、田園が広がるのどかな風景になっていく。
ラング達は東に伸びるイグニアス街道を行軍しながら、今日泊まるベルタ城へと入った。


ベルタ城は、サルジア城と共にキャスカインに入る関所の役割もはたしているキャスカイン防衛の重要拠点である。
二つの城は特にシュザクから信任された軍団長が城主に任命されていた。
ベルタ城の城主のライナは、独立戦争時はパームシュフェルトの副将の一人として活躍した将である。
軍団長の中でも、知勇共に優れているだけに、ラングの横に付き従うアリッサには一瞬睨むような視線を向ける。
彼女の中では、歩兵軍の青い鎧より、近衛軍の白い鎧がアリッサよりふさわしいと言う自負がある。

そんなライナの嫉妬心は、歓迎の宴で首をもたげた。

美しく着飾り、ラングの酌をするライナ…彼女としては主君をもてなすのは当たり前だと思っているし、城の守備は疎かにしていない。
ラングに笑みを見せながらも、時折着飾った部下達の報告を耳元で受けている。
優秀でそつのない彼女らしい采配だった。
アリッサはそんな宴でも鎧姿…黒騎士達が武装を解いても、彼女は鎧姿のままだった。
勿論、黒騎士達も武器を隠し持っているが、アリッサは何時もの厳しい表情を解こうとはしない。

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