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ハーレム国家-建設編-
官能リレー小説 - ハーレム

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ハーレム国家-建設編- 17

確かに将軍だった彼女にとっての剣術はあくまでも将軍としての剣術であり、指揮能力より重視される事は無い。
対して武装メイド達はかつては剣奴や兵士…命を賭けた剣技と比べるのは間違っているのだろう。
…と言う事で、アウローラは最弱のミーアと良い勝負はしたが、一本も取れずに終わったのだった。

「はい、そこまでっ!…休憩にしましょ」
シーラの掛け声がした瞬間、アウローラはその場に座り混んでしまう。

泣きたい気分だった…
囚われの身となり奴隷に墜とされる屈辱…恨み…怒り…絶望…そんな感情を抱えながら、身体を動かしていれば少しは忘れられると武装メイドになった事で少しホッとした部分があった。
しかし現実は甘く無かった…
彼女が誇りに思った大陸軍は散々に討ち負かされ、囚われの身になった事を否応無く思い知らされた。
『姫将軍』と称えられた自負は奴隷されて砕かれ…己の弱さに残ったプライドすら打ち破られてしまった。

武装メイドになって姫将軍の実力を見せつければ、酷い扱いは受けない…またかつての生活に戻れるのじゃないかと言う甘い期待すら、それが馬鹿馬鹿しい絵空事と言う事にも今更ながらに気付かされてしまったのだ。
もう死んでしまいたい…それぐらいの絶望感がアウローラを包んでしまった。
そんなうつ向く彼女の眼前に水の入ったカップ…アウローラは泣きそうになりながらカップを差し出した人物を見る。
その人物は…あのジュリアンだった。

「…お飲みなさい…まあ、武装メイドとしては及第点でしてよ」
不機嫌な表情だが、最初に会った時の棘々しさは無い。
アウローラは受け取り、涙と一緒に一気に飲み込む。
何か同情されたようで更に惨めな気持ちになっていた。
「いきなり奴隷にされたのですから…さぞや辛いでしょう?…ご自分を哀れみ涙にくれるのはご自由ですが…この首輪、大陸の方が作ったんじゃなくて?」
言葉から滲み出る怒り…そう呼ぶには静か過ぎる彼女の言葉…

ジュリアンはアウローラの頭を掴むと顔を上に向かせて自分の顔をアウローラに目一杯近付ける。
「貴女が泣こうが叫ぼうが喚こうが…貴女にはラングマルシュ様の最も忠実な奴隷メイドになって頂きますわ!…わたくしが奴隷となって初めて幸福を与えて頂いた唯一のお方…そのお方を貴女がどうお思いだろうと、わたくしはあのお方の為に貴女を仕込んで差し上げますわ、覚悟なさいっ!!」
ジュリアンの剣幕はアウローラを驚かすに十分だった。
彼女は言うだけ言うと、スタスタと去っていく。

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