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ハーレム国家-建設編-
官能リレー小説 - ハーレム

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ハーレム国家-建設編- 147

マユラの返事に、ラングは何も言わずにマユラを抱きしめた。
「お父様・・・・。」
しばらくそうしていたが、やがてラングはマユラから離れ、マユラをまっすぐに見据えて言った。
「では、俺は行って来る。頼んだぞ。」
「はいっ。お父様。元気で戻ってきて下さいね。」
覚悟を決めた者特有のすっきりした表情を浮かべ、マユラがそう言うと、ラングはマユラの部屋を去っていった。
翌日。
準備を終えたラング、シリル、マニシュ、アウローラ、アリッサの5名は、旅姿に身を固めていた。
戴冠式に備えて集まっていた者の筆頭であるバーンをはじめとする留守を守る人々の見送りをうけていた。
「それじゃ、いってくるよ。バーン、頼むぜ。」
「うん。兄さん。」
「エミリア、パームシュフェルト、苦労を掛けるな。シュザクもいないから大変だとは思うが、頼んだぜ。」
「勿論です。」
「ご安心ください。バーン様ともども戴冠式まで滞りなく準備しておきます。」
パレードをする予算などないので、旅姿といってもラング達は普通のメルディア教の巡礼者といった風情である。
戦乱で荒廃したとはいえ、いや荒廃したからこそ信仰に救いを求める者も多く、巡礼者は街や旅路では時折見かける存在である。

キャスカインを発って一日。
街道にはところどころ独立戦争時の損傷の跡が残るものの一応補修され、何の支障もなく宿場町リペに到着した。
首都キャスカインに近いのですれ違う交易商や旅人の姿もちらほら見られた。
この街でも、戦闘の傷はまだ癒えておらずあちこちの建物が建て直しや建て替えの途中だった。
(こんなところにも戦争が影を落としているのね…)
アウローラはそう思った。
それを察したのか、ラングは言った。
「おお、どこも修復が進んでいるな。皆逞しくて助かるよ。こういう者たちが笑顔になれる国を造らないとな。」
「ええ。そうですね。私もそう思います。」
とりあえず、ラング達は営業している宿屋に入った。
ランク的には中の中か、中の上といったところだろう。

「ふー、いい風呂だぜ。」
ラング達は宿屋の浴場にいた。
解放的なオーディエンスの習慣で混浴である。
シリル、マニシュ、アウローラ、アリッサも一緒に入っていたが、まだ混浴に慣れないアウローラは恥ずかしげだった。
ところで、なぜアリッサも加えられたのか疑問に思われた方もいるだろう。
それは、出発前日のこと。
復帰したシリルと皆が再会した折り、アリッサが自らの不感症について相談したのがきっかけであった。
「メルディア教団で治癒の秘蹟を使ってもらえば治ると思うわ。ほらあの教団って、セックスにかけては私達淫魔と並ぶほどの連中だし。貴女は近衛隊長だから頼めば随行できるわよ。」
シリルはそう言うと、ラング達に掛け合いアリッサの随行を認めさせたのだ。

そうして5人で風呂につかっていると、入ってくる人影が二人。
どちらも若い娘のようだ。
どちらも10代後半と思える、巨乳の美人だった。
(やっぱり私より大きな胸してるのね…)
ちょっと複雑な気分になるアウローラ。
「よお!」
気軽にラングが声をかける。
ふたりともラング達の正体にば気づいてないようだ。
彼女たちもオーディエンス人、漢のラングが入っていても驚かなかったが、大爆乳を浮かべたマニシュ、人間とは思えないほどの妖艶な魅力を全身から発散しているシリルには息をのんでいた。
「こ…こんばんは。」
右側の黒髪ロングに黒い瞳の娘が挨拶した。
「こんばんは。私、ミュリネーと言います。ほら、あなたも。」
左側の、準大陸よりも帝国の血を色濃く引いていそうな娘が名乗った。
促され、右側の娘も。
「私、エリカです。皆様は・・・どちらへ行かれるんですか?」
「私達?うふふ、巡礼よ。メルディア大神殿に向かうの。」
ラングの右隣で湯につかっているシリルが妖艶な声音で答える。
湯の中ではラングの雄大な肉棒を左手で優しくしごきながら。
ミュリネーとエリカはさすがにそれには気づいていなかったが、シリルの放つ妖艶な雰囲気に同性ながらドキッとさせられた。
まさか相手がサキュバスだとは知らないふたりは、どうして私…と言った顔で彼女を見ている。
「せっかくの合い風呂だ。ゆっくりしようぜ。」
「そうよ。これも何かの縁よ。」
もともと今晩は急ぐ予定のないラング達は、そう声をかける。
「ところで貴女たちは、どこへ行かれるのですか?」
アウローラが上品に問いかける。

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