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ハーレム国家-建設編-
官能リレー小説 - ハーレム

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ハーレム国家-建設編- 138

女性もラングが誰か解ったようで、優しい笑みで返す。
「お帰りなさいませ、ぼっちゃま…」


彼女は、かつてこの屋敷にいたメイドだった。
あの虐殺の時に逃げ遅れて帝国兵に掴まり、散々に犯され奴隷として売られていた。
売られた先は娼舘で、何人もの男の相手をさせられ、何度も孕んだ。
だが、解放戦争の混乱で娼舘から抜け出せ、数年前にこの町に帰ってきたらしい。
今は同じく逃げ帰ってきた他の元メイド達と共に、子供を育てながらこの近所に住んでいると言う。

「お前、ひょっとしてアンナか!!!」
「ええ坊ちゃま、そうですよ。」
アンナと呼ばれた女性は優しく答える。
「まさか、生きてたなんて……てっきり俺はあの虐殺で皆、死んだと思ったんだぞ。」
アンナが生きてた事に驚くラング。
「あの虐殺で…………」
「何も言わなくて良いんだ。」
エイべスルの虐殺で助かった経緯を言おうとしたアンナだったが、ラングは止めた。
それだ彼にとってあの事件は痛ましい物であった。
「ささ、坊ちゃま奥にお父様のお墓もあります。
どうか、お墓参りして行って下さい。旦那様も喜ばれます。」
気を取り直したアンナはラングをエイべルスの虐殺で殺されたラングの父ルイン・マルシュの墓へ案内する。
最もルインの遺体はマルシュ邸が焼き打ちされた時、屋敷と共に灰になったが、最近エイべスルに戻ったアンナ達は灰や土を遺体代わりに墓の下に埋め供養したのである。
「ああ、行くよ。」
ラングはアンナに案内され亡き父ルインが眠る墓へと案内された。
「さあ、坊ちゃまここです。」
「そうか・・・・・・・」
ルインの墓は太長い石を墓石とした簡素な物であった。
「申し訳ありません。もっと立派な物にしたかったのですが、お金が・・・・」
アンナ達、幼子を抱えているアンナ達にとってこれが精一杯であった。

「気にするな。寧ろ、親父を葬ってくれてあり難い。
親父もあの世で感謝してる筈だ。」
「坊ちゃま、大きく成られましたね。」
しかし、ラングはアンナ達の苦労を労いルインも喜んでると言うとアンナはラングの成長に涙する。
「大袈裟だな。早いところ、始めるか。」
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『親父、帰って来たぜ本当は帝国の再遠征が終わったら来るつもりだったが、考える事があって来たぜ。
でも、ここに来て吹っ切れたよ。』

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