PiPi's World 投稿小説

ハーレム国家-建設編-
官能リレー小説 - ハーレム

の最初へ
 129
 131
の最後へ

ハーレム国家-建設編- 131

その間、別動隊を率いるルードヴィヒ大公は一個ずつ連合軍を各個撃破していき、4ヶ月目にしてエルラシア本軍以外の連合軍の駆逐に成功した。
だが、その間…アルドアランは大変な事になっていた。
エルラシア王はルードヴィヒ大公の各個撃破策に気づき、戦略を変更して強引にアルドアラン攻略にかかった。
ここを抜ければ、帝都まで殆ど障害がなくなる。
それ故に攻防は激戦を極めた。
それでもフレデリック公子は冷静に、要塞とゲリラによる遅延作戦を継続していた。

彼に手を焼くエルラシア王は、一旦攻撃を止めると…帝都に向け迂回進軍する作戦を取った。
明らかな罠である…フレデリック公子を誘き寄せる。
しかし、帝都を目指されてはフレデリックも黙っている訳にもいかない。
かくして、フレデリック公子は州都アルドアランを出て、エルラシア連合軍を追撃したのだ。

決戦地はアルドアラン地方のシュターク草原。
エルラシア連合軍40万とフレデリック公子直属軍10万との決戦となった。
どちらも戦車隊が中核。

エルラシア連合軍には自慢の長弓隊、ガルロア軍には重装歩兵…
ただ、自慢の密集戦法を取るにも戦力差があり過ぎた。
しかも、何もない草原は数が有利なのは自明の理である。
エルラシア王は軍を三つに分け、『双頭蛇の陣』を構え、対するガルロア軍は歩兵を密集させた円形陣、『太陽の刃陣』を構える。
両軍、日昇と共に進軍の号令がなり響いた。

序盤は長弓隊の矢の豪雨を盾で凌ぐガルロア軍が距離を詰め、自慢の重装歩兵をエルラシア中軍に叩きつける。

フレデリックの作戦は、短期に相手中軍を撃破し、蛇の胴体を切り裂く…
円形陣を回転させるように進み、敵陣を刃で削いで行った。
少数と言えど、フレデリック公子以下歴戦の猛者で固められたガルロア軍は、エルラシア軍の両翼の蛇の毒牙をものともせず、エルラシア中軍の5段の構えのうち3段までも撃破する。
だが、エルラシア王は冷静だった。

撃破された構えをあえて左右に分け、昼頃には完全なる包囲陣形を構築していた。
勿論、それを読んでいないフレデリック公子ではない…

包囲されても太陽の刃は回り続け、エルラシア軍を削り取っていく。
それでもやはり戦力差…
ガルロア軍の周囲でエルラシアの蛇は胴を締め上げ、獲物を仕留めようと輪を縮めていく。
それを何度も弾き返していき、自らも戦車の上で弩を放ち、槍を震うフレデリック公子だったが、この若き名将同士の対決は突然にやってきた。
流れ矢がフレデリック公子の首筋に命中し、彼はそのまま絶命してしまったのだ。
部下や国民から愛され、皇帝の寵愛を受けた若き公子は、生まれたばかりの息子とも対面する事無く、その短い生涯を終えたのである。

SNSでこの小説を紹介

ハーレムの他のリレー小説

こちらから小説を探す