ダメ男再生学園 100
「ありがと」
理沙さんは身体の力を抜いて、呼吸を整えてリラックスした表情で短く耳元で囁いた。
「龍希くんのおかげで女を思い出すことができた気がしたわ」
理沙さんは俺を見上げるようにして言う。
「愛されるってこういうことなんだな。龍希くんはみんなともっとこうやって良い関係を築いていってもらいたい、でもたまには私とも…ワガママみたいなことを言ってしまうようでごめんね」
互いに服を着て、俺はお礼を言って理沙さんの部屋を後にした。
「汗、かいたな」
ちょっとシャワーを浴びたいと思った。
バスタオルだけ持って浴室へ。
誰もいない。
俺は一息ついた、というようにゆったりシャワーを浴びた。
今朝からのことを思い出すだけて股間はまた大きくなってしまう。
"でも、今日これから、何して過ごそうかな"
前の学校での辛かった日々、ここに来てから楽しいけど怒涛のような日々で、こんなことは久しぶりに考えた気がした。
寮には必要最低限の荷物しか持ってきていなくて、実家から取り寄せることもやりにくい。近所にどういうお店があるとかもよくわかっていない。
一人でブラブラしようにもこの辺に土地勘がないから不安がある。
「お、龍希、暇そうだねぇ」
「お、おう」
シャワーから出て着替えて、部屋に戻ろうとするときに未奈美と鉢合わせになる。
Tシャツに短パンと、ラフな格好だ。
「暇なら、散歩とか行く?」
「あ、行きたい。この辺全然わかんなくて」
「よし!じゃあ五分後に玄関!」
そう言って未奈美は部屋に戻っていった。
俺も外に出られるよう、ちゃんとしたズボンを穿き、ジャンパーを羽織った。
ほどなくして未奈美もやってくる。
黒いパーカーにショートパンツ。そういえば同級生の私服姿をまじまじと見るのはこれが初めてなのではないか…
「どうした?」
「あぁ、いや、なんか可愛いな、って」
「……褒めても何にも出ないからね?」
「そういうつもりじゃ」
とりあえず外を出て、未奈美に寮の周辺を案内してもらう。