ダメ男再生学園 74
「幸せだよ。この感触。一度味わってみたらきっと人生変わるよ」
「そ、そうなの…?」
沖さん、また動揺する。
そこで俺をチラチラ見ないでほしい。沖さん身体はマジですごいから股間はすぐに回復する。
「………………………」
そして沈黙。
「三野………りゅ、龍希、くん」
「はい………あ、お、おう」
「お友達から、はじめて、ください」
「は、はい……??」
テンパった沖さんはいろいろ突っ込みどころ満載だった。でも、可愛いから許す。
俺は改めて沖さんの目を見る。
「お友達から」って言った。でも、それを文字通り考えてみると、俺って、男も含めてあんまり友達っていたことなかった。友達って、どうするんだろう…
突っ込みどころ満載ではあるのだけど、この緊張、伝わってきて、俺の方も緊張してきた…
「うん、友達から、始めるのは、いいんだけど、俺、あんまり友達っていたことないから、どうしていいかわからない」
「えっと、友達、だから、お話したり、とか…龍希くん、趣味とか、って」
「え、えっと…」
「何やってるの?コントみたいだよ。例えば…お風呂なんだから、洗い合ったりしてみたら」
回復したのか、洗面台の端で身体を洗っていた陽菜にそう突っ込まれた。
「まあ、面白かったけどね」
「…やめてよ。恥ずかしいじゃない」
改めて考え直して手にボディソープをつけて泡立てる。それを沖さんの背中へそっとあてながら…
「ひゃあっ!?」
大きな叫び声があがる。
俺は手を止める。
「え、あ、ごめん」
「あ、そうじゃなくて。びっくりしただけ…あの、続けて」
俺は、続けることにする。沖さんの背中全体にボディーソープをのばしていく。そして、沖さんも手にボディーソープを泡立て、俺の背中に触れた。俺と沖さんの距離が一歩近づく。
沖さんの視線がそれる。俺もどうしたらいいかわからない。ただ背中に手を伸ばし形として洗ってる、だけ。
「先に出るねー」
「お、おう」
陽菜が沈黙を破るように言う。そして風呂場から出て行った。
沖さんが少し距離を詰めた。ふくよかすぎる胸が、すぐそこにある。