ダメ男再生学園 56
運動部の子はいろいろ準備とかあるのかな、大きなバッグ持った子なんかもいるし。
向こうで手を振る未奈美と美咲。2人は帰宅部だって、もう帰るんだな。
「三野瀬くん、お困りですかね」
「ああ、湯窪さん…」
クラス副委員長の彼女。沖さんが姿が見えなくなってしまったので、ここは彼女に頼ろうか…
「普段は昼ご飯ってどうしてるの?」
「それは、みんなの考え次第。学食と売店あるし、弁当持ちの子もいる」
「湯窪さんは?」
「私は学食行く」
「じゃあ、連れて行ってもらっていい?」
校内の場所はきのう一通り見たけど、まだ不安あったし、ひとりで食べるともしかしたら浮くかも、と思って言ってみた。
「あ、うん、もちろん」
「学食はこっちね」
教室を出て湯窪さんの案内について行く。
途中何人もの人にすれ違ったがみんな女子。男子が少ないのもあって、やっぱりちょっと浮いてるだろうか。
「湯窪さんは何か部活やってるの?」
「私は文芸部。よかったら、見学もしていっちゃう?」
文芸部…うーん、これまでの人生で実際に接したことがない…
「うーん、文芸部って、フィクションではたまに見るけど、実際には、どんな活動しているの?」
「食べながらゆっくり説明しよう」
やがて、同じクラスの他二人の女子…北見さん、須川さん…が合流して計四人で席に座った。
「あさみも弥生も文芸部なんだ」
湯窪さんも含め、彼女たちとここまで近づいて話すのは初めてだ。
北見さんも須川さんも外見はちょっと地味な感じがあるけど、美少女であるのは間違いなくて、特に須川さんは…胸が凄い。
「文芸部って、どういうことをするかって言うとね」
湯窪さんが説明し始める。
「簡単に言えば、創作活動をする部活」
「創作…?」
「漫画とか、小説とか」