ダメ男再生学園 109
しばらくぼんやりしていたり、スマホをいじっていたりしていた。
昼をだいぶ過ぎた。朝ごはんが遅かったので、今頃腹が減ってきた。
“休日のお昼ごはんって、どうなっているのかな…”
持ってきた荷物の中に食料は無い。買いに行こうにも、この辺にコンビニは無い、ということだった。
さっきまで理沙さんとセックスしていて、そして眠ってしまって…と思うと、ちょっと理沙さんに聞くのは気まずい感じはするが、腹が減っているし、他の子も昼ご飯が要るのは同じだろう、と考え、俺は食堂に行った。
誰もいなかった。キッチンで理沙さんが後ろ姿。
トントン、という音も聞こえる。
これは、俺が予想したとおりになるのかな、と考えてしまう。
少し辺りを警戒しながら食堂に入る。
「あら。お腹、すいたかしら」
「ええ、まあ」
「今作ってるから、座って待っててね」
理沙さんは少し照れているように見えた。
さっきのことを思い出したのだろうか。
座って、俺はまず言った。
「あの、風呂で、バスタオルかけてくれたのは、理沙さんですか」
「ええ、風邪引くと思って」
「ありがとうございました」
再び、包丁のトントンという音だけになる。俺は、もう一つ疑問に思ったことを聞いてみる。
「あの、休みの日の食事って、どうなってるんですか?」
「だいたい、前の日までにいるかいらないか私に言うの。多めに作ってるけど、予定通りじゃないこともあって、今日はなくなっちゃって。龍希君食べるかな、って今作ってたんだ。龍希君タイミングよかった」
「そうですか、ありがとうございます」
伝えてなかったのは申し訳なかったかな、などと思いながら俺は理沙さんの背中を眺める。
その姿はまるで母親、もしくは…
「おや、どーしたのかな?」
2人のまったりした時間に現れた招かれざる客?
いやいや、そんなことはない。
美来さん。相変わらず下を穿いてるのか穿いてないのかよくわからない格好。
「別に…ちょっとここ通ったら、龍希君の声聞こえたから、ちょっと寄ってみた」
美来さんはテーブルの俺の座っているサイドの端の椅子に座った。
「じゃあ、龍希君に会いたかったんじゃん」
理沙さんはそう続ける。
「そういうわけじゃあなくて…」