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宮廷魔法騎士団、奉仕中
官能リレー小説 - ハーレム

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宮廷魔法騎士団、奉仕中 10

「ねぇ、カルド、二人っきりだし、みんながせっかく作ってくれた温泉だから、一緒に入ろうか」
王女アイーレが顔を真っ赤にしてカルドに声をかける。夕暮れの湯煙りのあたりに流れる温泉湖のほとりで、お婿様のカルドは仰向けに寝そべり夕日を見つめていた。
高速の飛竜型ゴーレムのスピード感にすっかり疲れきって、動けなかったからである。
「いや、今は、もう少し休ませて」
「酔ったりしないようにしたはずだけど、乗り物は苦手なの?」
カルドの隣にぺたりと座って王女アイーレは話しかけている。
「馬車も、船も、酔わなかったけど。まだ地面がぐらぐらしてる感じが……」
王宮に呼ばれるまで、カルドは旅をしたことがなかった。カルドは田舎から王宮まで、馬車と船で旅をした。
「やっと二人っきりでゆっくり話ができるね」
王女アイーレが満面の笑みを浮かべている。
「湯気で夕日がかすんでるのも、初めて見たけど、きれいだ」
カルドが山の夕景色をながめて言った。
「うん、きれい……」
王女アイーレも夕日の沈む光景を見ている。
すっかり日が沈んでしまうと、あたりは真っ暗になってしまった。
王女の飛竜型ゴーレムだけがほのかな光をおびている。
「お腹すいたよね、今度はちょっとゆっくり帰ろうね」
飛竜型ゴーレムの背に乗ったカルドは王女アイーレに言われるままに、後ろから抱きついて緊張している。
王女アイーレのほうが、カルドより体つきは全体的にひとまわり小さい。
「しっかりつかまっててね、いくよ!」
飛竜型ゴーレムが羽ばたきをすると、あたりの木々の枝葉が風で揺れた。
ゆっくりと浮上して、地上から離れていくがあたりが暗いので地上が見えない分、カルドは温泉湖に来るときほど、こわさを感じなかった。
あたりが星と月あかりだけになる。
飛行のスピードを落としていても、夜風を受けると体が冷える。
「ふふっ、背中あったかいよ」
「たしかにあったかいな」
体が密着しているところがあたたかい。
「カルド、星も月もきれいだよ」
「すごいな、まわりを全部、星にかこまれてる感じがする」
「これ、空じゃなきゃ見えない景色だから」
カルドはなんとなく、幼い子供に戻ったような気持ちになった。
(アイーレは、王宮で退屈してると思って連れ出してくれたのかな?)
「……というわけで、御二人は無事に王宮にお戻りになられました」
エステルの報告を聞いて、女王セラフレアがため息をついた。
「わかりました。下がってよろしい」
エステルが一礼して、女王セラフレアの私室から退出した。

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