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宮廷魔法騎士団、奉仕中
官能リレー小説 - ハーレム

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宮廷魔法騎士団、奉仕中 9

低い唸るような地鳴りのごごごごといいう響きを聞いて王女アイーレが「全員、退避」と叫びながら、飛竜型ゴーレムに飛び乗る。
参謀官エステルから、地鳴りが聞こえたら空へ急いで逃げるように言われていた。
他の女騎士たちもグリフォン型ゴーレムに急いでまたがると空中へ舞い上がる。
しばらくの地鳴りと全員の沈黙。
きゅぴー、とやたらとかわいらしい声で芋虫型ゴーレムが吹き上げられてきたのは、それからすぐだった。
憐れな芋虫型ゴーレムが熱湯で空中で砕け散り、地上に落下していく。
「あちちちっ、もっと離れないとやけどしちゃう、やばい!」
「アイーレ様、地下鉱脈は……」
「温泉を掘りあてちゃったみたい、へへっ、まあ、いいか」
玉座で女王セラフレアは、こめかみに指をあて、エステルからの報告を聞いていた。
「巨大な温泉の湖ができましたが、地震による被害はなかったようです」
「わかりました」
地下鉱脈の発掘ということで許可を出した女王セラフレアだったが、王女アイーレの強引な発掘座業の結果、危うく地震災害を引き起こしかねなかった。
「で、アイーレは今どうしているのですか?」
飛竜型ゴーレムの背の上で、風に飛ばされないように涙目でカルドは王女アイーレにしがみついている。
手綱を握りしめて満面の笑みのアイーレ。
「カルド、もうすぐ到着だよ!」
風を切る音にまざってアイーレの声を聞いているカルドが青ざめている。
温泉を掘りあてたアイーレはまだ湯がにごっているうちに、単身王宮へ戻り、カルドを外へ連れ出した。
まず、立ち上る湯けむり。眼下に森に囲まれているが、温泉湖の周囲の木々だけは倒されているのがその隙間から見える。
「うん、うん、なかなかいい感じの温泉になってるね」
温泉湖は泥湯から澄んだ湯になっている。
深い穴の周囲に体をつかるのにはちょうどよい浅いくぼみと、山の下へと通じる川へ支流を作り温泉の湯を逃がしている。
宮廷騎士団の優秀さが見事に発揮されている。
夕暮れの温泉湖の中央あたりの水面ぎりぎりまで急降下して、波を立てながら飛竜型ゴーレムが空き地へ着陸する。
「カルド、ついたよ」
王女アイーレが飛竜型ゴーレムから軽い身のこなしで降り立つ。
カルドはびびりすぎて、膝に力が入らない。
飛竜型ゴーレムから転げるように地面に降りた。
土木工事を終えた騎士団メンバーは、王女アイーレとお婿様とのデートをじゃましないように配慮して王宮に帰還した。
エステルが泥だらけの騎士団の隊長たちに事情を聞いて、女王セラフレアにどう説明したらいいか、軽いめまいを起こした。
温泉を掘りあてた件だけでも、御立腹のところに、王女アイーレがお婿様を無断で連れ出した件が重なったからである。
「それはそれでよしとしましょう。ただし、万が一の事故もないとは言えませんね。こっそり警護しておきなさい」
女王セラフレアは、もし王女アイーレとお婿様のカルドが契りを交わしたら、王女アイーレは飛竜型ゴーレムを操り帰還するのはむずかしい状態になると考えたからである。
契りを交わしたら、悦びに全身がとろけきってしまって魔法を使える状態ではなくなるのは、過去の自分の経験から熟知していた。

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