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宮廷魔法騎士団、奉仕中
官能リレー小説 - ハーレム

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宮廷魔法騎士団、奉仕中 4

「というわけで、最低でも誰かを妊娠させていただけるまでは、宮廷で暮らしていただきます」
カルドは十日間、田舎から兵士に監視され宮廷に連れて来られ「お婿様専用の客室」に軟禁されている状態。オナニーできる状況ではなかった。
三日に一度はオナニーをして暮らしていた。なので、今も軍服姿のエステルの女性らしい体の線やほのかな香りに勃起しかける。我慢している。
そこで誰かを妊娠させるために連れて来られたと聞いて、かなり動揺していた。
もしも、カルドが女遊びの手練れだったら、目の前にいるエステルに手を出していたにちがいない。
安宿の実家暮らし。さらに娼舘などもない、酒場すらない小さな街で暮らしているカルドは二十歳にして、まだ童貞であった。
カルドとつきあうということは宿屋の家業を継ぐことになる。そのため、小さな街の娘たちは結婚して小さな街から出たいと思っていたので敬遠されていた。
たまに来る商人たちが、安宿に街の娘を連れ込むことがある。どこそこの家の娘が商人のだれそれと……とすぐに噂になる。
カルド自身、かなり警戒して街の娘とはつきあおうとはしなかった。
その結果、童貞のままで生活してきた。
「……あの、カルド様?」
「はい」
「男性は気になる女性と二人きりでいると、その、女性のからだを求めてくると庶民の暮らしを調べた書物には書いてあったのですがこのエステルでは魅力が足りないということなのでしょうか?」
エステルが、顔を赤らめながら少し言いづらそうにうつむいて言い出した。
「そ、そんなことないですよ、エステルさんは美人だと思います」
「そうでしょうか?」
「それに今日、謁見のときに会ったばかりでおたがいよく知らないのに」
「ああ、そういうものなのですね。もしかしたらカルド様は女性に興味がないのかと思ってしまいました」
「それも本に書いてあったんですか?」
「ええ、そういう趣味の方もいると」
博識ではあるが、生真面目すぎるところがあるようにカルドには思えた。
「それにわたくしは、セラフレア様のように美しくもありませんし、アイーレ様のようにかわいらしくはありませんから。他の騎士たちほど鍛えられた美しい体つきでもありません」
「エステルさん、みんな顔も体つきも同じだったら気持ち悪いし、見分けがつきにくいと思うんだけど……」
エステルがまじまじとカルドの顔を見つめてから微笑した。
「カルド様は、おもしろい人ですね」
華奢な体つきで、魔力はあれどエステルは格闘や武芸は不得手である。
参謀官としての任務には誇りを持っている。だが、それでも最前線で戦う者たちは、時には負傷したり、手当てが間に合わないこともあることを思うと、負い目のような思いをずっと抱えてきた。
人はそれぞれちがっていてもいい。
自分のできることを全力で行えばいい。
エステルは、カルドにそう言われたような気がした。

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