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宮廷魔法騎士団、奉仕中
官能リレー小説 - ハーレム

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宮廷魔法騎士団、奉仕中 3

「エステル、一歩前へ」
女王セラフレアの声に、整列する騎士たちの中から、一歩前へ出てきた女騎士が一礼してカルドと目が合う。
妖艶にして威厳ある女王セラフレアや天真爛漫な美少女の王女アイーレとはちがう雰囲気の乙女。姿勢がよく痩身、銀縁眼鏡をかけている。肩にかかるほどの長さ真っ直ぐな黒髪で、色白の美人。
だが、落ち着いた雰囲気で、派手な印象はまったくない。
「紹介にあずかりましたわたくしは参謀官のエステルと申します。カルド様、よろしくお願い申し上げます」
「カルド、詳しい説明は参謀官エステルから聞くとよいでしょう。参謀官エステル、貴女にカルド専属の側勤めを命じます」
「御意!」
エステルがその場で片膝をつき頭を下げる。
女王セラフレアとの謁見を終え、カルドは与えられた自室へ戻った。
ベットで仰向けに寝そべり、安宿の実家とはちかう高い天井を見てぼーっとしている。カルドは謁見で緊張しすぎて疲れた。
宮廷に到着して三日間、退屈していた。
食事や着替えなどは侍女たちが運んで来てくれる。謁見以外はただ豪華な設備の整った部屋で何もせずに昼寝ばかりですごしていた。
そこからのいきなり女王セラフレアとの謁見は、落差が大きく田舎から王宮までの旅よりも疲れた気かした。
カルドの部屋に参謀官エステルがカルドの元へ訪問したのは、夕食後しばらくしてからであった。
「本日はお疲れさまでした、カルド様」
カルドと部屋のソファーで向かい合って腰を下ろしているエステルは、穏やかな口調で話す。
「セラフレア様は詳しい説明はあなたから聞くように言ってたけど、いつになったら帰れるんだろう?」
「退屈ですか?」
「なんが部屋も食事も贅沢で、もてなしてもらっているのはわかるんだけどね」
そういってから部屋の扉をちらっとカルドは見た。
「どうかなさいましたか?」
「いや、なんか、アイーレ様が飛び込んで来そうな気がして……」
エステルが表情をくずして微笑した。
「それはあなたがセラフレア様とアイーレ様に選んだ婚約者だからですから、アイーレ様は気になるのでしょう」
「え、婚約者?」
「ええ、婚約者です」
エステルが復唱するように繰り返した。
「なにがどうして王女様と結婚なんて話になってるんですか?」
「アイーレ様はお気に召されないと」
「いや、いや、いや、いや、そういう話じゃなくて、王女様だったら、その、もっと偉い人とかと結婚するもんじゃないのかな」
「正確には、カルド様は、アイーレ様だけでなく、セラフレア様もふくめて、宮廷魔法騎士団の全員の花婿様、といったほうがわかりやすいかもしれません」
「まったくわからないんだが」
首をかしげるカルドにエステルが説明する。
「まだよくわからないけど、魔法の力がある女性は、特別な人以外との交わりでは妊娠できないと」
「そういうことです」
「えっと、ひとつ質問アイーレ様の父親は?」
「アイーレ様が生まれてすぐに亡くなりになられたと、うかがっております」
女王が最高権力者な王国の内部事情は、庶民にはまったく知られていない。
「死因は?」
「心不全とだけ記録が残っています」
「心不全……」

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